人 旭日双光章を受章した鳴海伸明さん

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旭日双光章を受章した鳴海伸明さん

 「叙勲は業界を挙げて受章できた」。語り出しは、この言葉からだった。自分の力ではなく、周囲に支えられてきたからこそ―。地域建設業の代表を務めてきた原動力は、常に「感謝」の気持ちだった。  恵那建設業協会の理事長としての16年間、災害対応や除雪など、地域の「いざ」という時に現場へ向かう体制づくりに力を注いだ。「危険な場所へ最初に入るのが地元の建設業。その役割を果たすのが使命だ」という言葉からは、揺るがぬ信念が伝わる。  印象深い出来事として挙げるのが、豚熱発生時の対応だ。精神的にも過酷な作業に戸惑いもあったが、県職員の若い女性も従事する姿に心を打たれたという。会員に声を掛け、協会一丸で防疫作業に当たった経験は、地域建設業の機動力とそれを維持することの重要性を感じる機会となった。  一方で、人手不足には強い危機感を抱く。「業界を残すには、働き方を変えなければならない」。自社では、従業員の健康管理に積極的に取り組み、健康経営優良法人の認定を受けてきた。また、「他産業に負けない給料」を訴え、工事件数の確保や労務費増額など、発注者への陳情にも尽力。「義務を果たした上で、権利を主張することが大切だ」と誠実な姿勢を見せた。  モットーは「信頼され、感謝すること」。仕事一筋だった日々を振り返り、今は家族との時間も大切にしたいと考える。「次の世代にしっかりバトンをつないでいきたい」。その思いは、業界の未来を明るく照らしている。  【略歴】1978年愛知工業大学経営学科卒、同年鳴海組入社。96年代表取締役、2023年から取締役会長。03年恵那建設業協会理事、09年から理事長。09年岐阜県建設業協会理事、16年から副理事長。70歳。中津川市出身。