大阪市 淀川北岸線など4件の大規模事業を妥当と評価

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4件の大規模事業評価などを審議

 大阪市は12月17日、2025年度第2回大阪市建設事業評価有識者会議を開き、「臨港鉄道整備事業(北港テクノポート線)」と「淀川北岸線(菅原)整備事業」の事業再評価、「国道479号放出共同溝整備事業」と「新設校整備事業」の大規模事業評価について審議した。新設校整備については10月15日の第1回会議で事業の継続性などの確認を求め「保留」となっていたが、今回の3件と合わせ、「妥当」と判断した。  4件のうち北港テクノポート線は、咲洲、夢洲、舞洲を経由し、在来の臨海部と都心部を結ぶ鉄道路線。北ルートと南ルートがあり、今回の再評価の対象は南ルート。同ルートでは大阪・関西万博の開催に合わせてコスモスクエア駅~夢洲駅が開業済みで、残る事業は特定複合観光施設(IR)に接続する一部出入り口となっている。詳細設計に伴う工程見直しや、IR出入り口施設側との協議・調整により着手時期が25年度から26年度に遅れることで、工事完了予定を27年度から29年度に変更する。  工事箇所は夢洲駅南西出入り口の整備で、掘削やコンクリート打設などを施す。事業費は3億円を見込む。また夢洲駅の北西出入り口エレベーターの設備設置や配線などで事業費は1億円としている。  淀川北岸線(菅原)整備事業は、東淀川区東淡路1~菅原2で延長1190㍍、幅員22㍍の街路を新設する。20年度には対面通行区間の暫定供用を開始済み。その後の大規模物件を含めた用地交渉が難航したため、用地取得の進捗に合わせた工程の精査により、前回の事業評価時点から工期を10年延伸する。また全体事業費は前回再評価の146・9億円から増額し、164・6億円を見込む。うち既投資額は47億円。32年度まで用地取得を進め、33~34年度で埋設工事、35~40年度に道路工事の実施を予定する。  国道479号放出共同溝整備事業は、鶴見区鶴見5~放出東3までの延長約2100㍍で、シールド施工により整備する。上段、下段の2連シールドとし、電力線や通信線、送泥送水管が入る上段シールドは口径6㍍、雨水貯留管が入る下段シールドは口径5・5㍍。発進・到達立坑は整備済みで、中間立坑は4カ所を予定している。概算事業費は約274億円を見込み、内訳はシールド・防護工で約229億円、立坑・防護工で約45億円。26~27年度で詳細設計を進め、28年度の工事着手、39年度の完成を予定する。 ■新設校整備は事業費の妥当性示す  新設校整備事業については、前回の会議から事業費の妥当性、今回の維持管理費用や大規模修繕費用などを追記した。  このうち事業費を巡っては、同程度の校舎規模である堀江小学校の西学舎と比較。平方㍍単価に工事変動率を加味した事業費が、おおむね同水準程度であるとされ、妥当性を示した。  新校舎の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造7階建て延べ約1万0720平方㍍を見込む。22学級とし、普通教室、特別教室、管理諸室、体育館、プール、給食室、地上と屋上の運動場、エレベーターなどを設ける。設計と工事費を含めた事業費は約59億8400万円で、このうち工事費に56億8500万円を見込む。想定スケジュールでは25~26年度に実施設計を進め、27年度にWTO案件で入札し工事着手、30年度の完成としている。  建設予定地は中央区南船場1ノ12ノ16(地番)他で、もと南高校グラウンド跡地。敷地面積は約4211平方㍍。  設計は綜企画設計(大阪市中央区)が担当。