技術検定の試験地拡大試行 26年度、甲府・長野・和歌山で

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 国土交通省は、2026年度の技術検定試験で、試験地の拡大を試行することを決めた。対象は2級土木施工管理技術検定の第1次検定(後期)で、試験地に甲府と長野、和歌山の3地区を追加する。遠方の試験地まで異動する交通費や時間的な負担を軽減し、特に高校生など若い世代の受験機会の確保につなげる。試行結果を踏まえ、さらなる試験地の拡大を検討する。  26年度の技術検定の実施計画に盛り込んだ。今回、追加した甲府、長野、和歌山の試験地を利用できるのは、学校を通じて試験参加を申請した学生に限ることとしている。  2級技術検定の第1次検定は、年度末時点で17歳以上であれば学歴や実務経験を問わずに受験できる。建設分野の技術者のキャリアの入口として機能している。24年度の2級土木第1次検定の合格実績を見ると、全体のうち▽高校生17・6%▽短大・高専生2・4%▽大学生1・7%▽その他学校0・3%―をそれぞれ占めた。合計すると2割強が学生となっている。  社会人の受験者は勤務している企業が受験料や交通費を負担する例も少なくないが、高校生にとっは、遠方の試験地での受験が大きな負担となる。このため、さらなる試験地の拡大を求める声が寄せられていたという。  そこで国交省は、高校生の受験ニーズが期待される土木、建築、電気工事を対象に試験地の拡大を検討。指定試験機関が試験運営に協力する機関を公募した結果、今回は土木を対象に試行を決めた。3地区では、地方自治体と学校が共同体として運営に協力する。  これにより、2級土木第1次検定(後期)の試験地は23地区に増える。 ■1級1次は4月以降も申込受付  前年度に引き続き、26年度も1級第1次検定については建設機械を除く全ての検定種目で4月以降も申し込みできる日程を設けた。学歴・実務経験を求めない受験資格に対応し、就職後すぐに試験を受けられるよう配慮した。