名古屋市 東側駅前広場 北側部分を先行整備へ

中部

名古屋駅東側駅前広場整備イメージ(デザイン計画案より)

 名古屋市住宅都市局は12月18日、名古屋駅東側駅前広場の整備について、まちにつながる空間づくりやタクシー乗り場の部分を先行して整備していく方針を明らかにした。名古屋鉄道の再開発計画見直しを受けた対応。部分的な整備完了時期について、伊藤大住宅都市局長は「2033年度を目指したい」とした。  同日に開いた都市活力向上特別委員会で明かした。同局は、初めて名古屋駅東側駅前広場のデザイン計画案を示した上で、名鉄再開発見直しの影響を踏まえた対応について答えた。まちにつながる空間づくりやタクシー乗り場の部分は、JR名古屋駅の中央コンコース部分から北側部分に当たる。詳細は関係者協議を踏まえて今後詰めていくようだ。  明らかにされたデザイン計画(案)では、既存のクスノキは北側に所在するものは現在の位置に保存、南側は移植する。北側はタクシーロータリー、移植するクスノキは一般車ロータリーのそれぞれ島部分に当たる。中央コンコースから桜通につながる直線空間(東西軸)には、桜並木を導入する。  中央コンコースの南側、歩行者動線と一般車ロータリーとの間の空間には可変型水景施設を導入して動線とアクティビティを両立させるとともに、夏季の暑さに対応するとしている。   舗装はレンガ舗装を主体として自然石ボーダーを東西軸に配置することで、まちへと結ぶ広場空間を演出する。  照明は、東西軸に沿って広場シンボル照明を設ける他、南北方向(南北軸)に歩道照明を配置する。シンボル照明は、間接照明により光の円盤が連続して浮いている光景を形成、また光のイメージは「かがり火」とし、もてなし空間と出発空間を形作る。  その他、ベンチ類は雨が当たる箇所は堅牢な素材、屋根下などは地場産木材の仕様も検討するとし、フェンス・ボラードはシンプルを基本に、鋳鉄や押出鋼など鉄を使用した堅牢な構造とする。  広場の中心性と開放感の創出には、スカイルーフの設置と2階デッキの改修を挙げる。関係者との協議・調整が必要な部分で、また技術的な検討もさらに必要としている。  デザイン計画案では2階デッキについて、JPタワー、ゲートタワーから名鉄まで2階レベルで連続した南北動線を形成するとした。従来のデッキを改修・撤去することで地上部の圧迫感を低減させるとともに、見通しを向上させる。  スカイルーフは、東西軸と南北軸の交点に配置。一般車・タクシースペース、中央コンコース、地下鉄昇降口を包括する。屋根素材は透過素材として明るく開放的な空間を創出するとしている。  その他、広場内の建物、屋根(一般車・タクシースペースシェルター、昇降施設上屋)は全体のデザインに調和した構造物にするとしている。 ※可変型水景施設 休日やオフピーク時はにぎわいを創出、歩行者通行量が多い時間帯は乗り換え動線を併せ持つ施設。高山駅前広場、東京駅前広場、徳山駅前広場にある。