都水道局 次期経営プラン 施設整備で重点8項目

東京
 東京都水道局は2026年度からの次期経営プランに施設整備で八つの重点項目と35年度までの10カ年の目標を掲げて事業を推進する。このうち「地域配水の骨格管路の耐震継手率」と「施設整備・維持管理に関する新技術の検証・導入率」の二つを新規の重点項目に設定。骨格管路の耐震継ぎ手率を24年度の55%から35年度に76%まで引き上げ、新技術の検証・導入率を29年度に100%にする方針だ。また、35年度までの10カ年の施設整備事業費を年平均2300億円と推計した上で必要な経費を計上する。12月19日の水道事業運営戦略検討会議に示した。  次期経営プランを巡っては、21年度から5カ年の事業計画を盛る現行の経営プランが25年度末で終了するため、24年12月から水道事業運営戦略検討会議で策定に向けて議論していた。現行の経営プラン中に生じた新型コロナウイルスの感染拡大や物価高騰といった社会経済情勢の変化などを踏まえ、計画期間を26~28年度の3カ年に短くする。25年度内の策定を目指している。  次期経営プランで施設整備に関して掲げる重点8項目のうち6項目は現行の経営プランから継承。個々の目標などを▽「送水管ネットワークの整備率」=24年度85%→35年度91%▽「安定給水確保率」=24年度87%→35年度91%▽「浄水施設耐震化率」=24年度14%→35年度76%▽「管路の耐震継手率」=24年度52%→35年度66%▽「取替困難管解消率」=24年度75%→26年度100%▽「取替優先地域解消率」=24年度92%→28年度100%―とする考え。  一方、新規の重点2項目のうち「地域配水の骨格管路の耐震継手率」は能登半島地震の教訓を踏まえて設定するもので、地震時の早期復旧につながる管路が抜け出さない状況を表す。また「施設整備・維持管理に関する新技術の検証・導入率」は持続可能な水道システムの構築に向けて新技術を積極的に活用する観点から設定。11の検証などを行って成果を都民に分かりやすく示すことが目的だ。いずれも次期経営プランの策定に合わせて改定する施設整備マスタープランの新指標から採用する。  35年度までの10カ年の施設整備事業費を年平均2300億円と推計する中で、大規模浄水場の更新に向けて積み立ててきた資金を積極的に活用。10カ年で約620億円を取り崩して充当する。取り崩しの規模を次期経営プランの3カ年で毎年度30億円、29~35年度の7カ年で530億円と見込んだ。