マンションリフォーム協同組合 理事長 佐藤 圭他氏

東京

佐藤 圭他理事長

 マンションの管理組合が行う、大規模修繕工事への支援を目的に設立したマンションリフォーム協同組合。これまで多くの完成保証事業やコンサルタント業務に携わってきた。2026年度には組合設立20周年を控える中、25年9月の総会で新理事長に就任した佐藤圭他氏に、意気込みやマンションリフォームの現状、課題などを聞いた。  ―理事長就任の抱負を聞きたい。  「組合で多くの完成保証事業を行い、今ではコンサルタント業務が受注可能な組合として体制を整えている。管理組合の貴重な修繕積立金をいかに無駄なく使うかという命題に対して、設計事務所や管理会社、施工会社といった多様な業種の会員が所属し、それぞれががガバナンスの確立された組織として『強み』を対外的に発信しつつ対応していく」  ―マンションリフォームの現状と課題は何か。  「昨今の情勢で管理会社とコンサルタント、施工会社らが、それぞれマンションリフォーム業界の正常化に向けた実効性のある取り組みを進めることは急務。併せて、管理組合側も施工会社らに任せきりの現状を打破するためには、一定の知識が必須になる。そこで組合が持つ知識や会員間のネットワークを用いて、専門家によるサポート体制を築くことが重要だ」  ―工事費の高騰にどう対応していくか。  「管理組合の会計は工事費高騰のあおりを受け、やむなく中規模修繕に抑える傾向があり、修繕周期の長期化への検討は必然だ。タイル貼り外壁では、修繕周期のロングスパン化を実現するために、建築基準法第12条で定められた定期報告制度の在り方を検討したい。また、高耐候性材料に関して設計者や施工者の知識習得を目的に、会員の材料メーカーが実務レベルでの勉強会を計画している」  ―組合内で力を入れている取り組みについて。  「多業種の組合員で構成する組織の強みを生かし、相互で積極的な情報交換を行っている他、独自の履行保証制度やコンサルタント業務の共同受注に力を入れている。組合の設立趣旨である『相互扶助』の精神を継続していきたい」  ―今後の目標を教えてほしい。  「働き方改革に伴う残業時間の規制厳格化には、組合内で何度も議論を重ねてきた。長く働いてもらえるように人材を『財産』と捉え、就業時間や環境の改善により、働きやすさを実現していきたい。また、日常生活の中で行う修繕工事は、住民と接することも多く、女性ならではの強みを生かせる環境だと思う。技術者として女性が活躍できる環境づくりをサポートしたい」  ―座右の銘は。  「古代中国の書物『老子』の『天網恢恢(てんもうかいかい)疎にして漏らさず』。自分を律する生き方が、自身にとって人生の指針になっている」