新県民体育館整備 配置案の決定持ち越し

四国

第4回新県民体育館整備等基本計画検討会の様子

 高知県は、県民体育館の建て替えに伴う基本計画の策定に向け、有識者で構成する「新県民体育館整備等基本計画検討会」(高知県公立大学法人高知工科大学経済・マネジメント学群講師・前田和範委員長)の第4回会合を開催した=写真。県は基本計画(素案)を公表し、アスパルこうちのグラウンドを全面利用した新体育館の配置案を示したが、委員から「狭い敷地にさまざまな機能を詰め込みすぎ」、「もう一度、まちづくりの観点から考えてほしい」などの意見が挙がり、配置案の決定には至らず、次回以降に持ち越しとなった。  県は、県民体育館に隣接するアスパルこうちのグラウンドの全面利用を高知市に求め、桑名龍吾市長は「市の要望した内容を反映し、配慮されている」と承諾していた。県は市の要望に対して、教育施設に通う児童への配慮として、サブアリーナの屋上には人工芝を敷設したグラウンドの整備や旧高知南中高の運動場に照明を設置し代替の施設とする他、屋内プールを新たな施設に整備することを提示した。  基本計画(素案)で示した整備案は、現在地に約5000人を収納するメインアリーナ(バスケットコート3面)と武道館を配置。グラウンドには、サブアリーナ(バスケットコート2面と観客席1000席)、屋内プール(25㍍×8コース)、憩いの場の整備を想定。サブアリーナの屋上には人工芝を敷設し、児童・生徒が運動などで活用するスペースを設ける。また、駐車場は地上と地下に整備し250台以上を確保する。ピロティや地下駐車場を除く延べ床面積は約1万7500平方㍍。現在の体育館に併設するプールや老朽化が進む武道館を新たな施設に集約する。現県民体育館の解体も含めた概算事業費は約210億円。  整備案に対して前田委員長は、「これまでの検討会の意見が反映されていない。県民アンケートが終わっていない状況で、配置案を決めていくことに疑問を感じる」と指摘。その他の委員からは、「高知ぢばさんセンターにアリーナを建設するのはどうか」、「まちづくりを基本とした地域活性化の議論を」などの意見が挙がった。これに対し、「昨年度の有識者会議で現地建て替えを判断しており、本年度内に基本計画を策定する」、「今後、ワークショップを開催し市民の声を集めていく」と答えた。  今後のスケジュールは、25年度内に基本計画を策定し、26~27年度に基本設計と実施設計をまとめ、28年度から工事着手し29年度内の供用開始を予定している。