違法「白トラ」荷主にも厳罰 運賃上昇、建設業への影響は

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 トラックドライバーの経済的、社会的な地位向上を目指したトラック新法への不安が建設業界に広がっている。許可・届出がない白ナンバーのトラックに有償で運送行為を委託した荷主への規制が強化されるためだ。いわゆる「白トラ」を使った有償での運送行為はこれまでも違法だったが、4月1日から、依頼した荷主に対しても100万円以下の罰金が科される。荷主である建設業には、どのようなケースで罰則が適用されるようになるのか―。  貨物自動車運送事業法では、有償で貨物の運送を行うためには、トラック運送事業で事業用の許可を受けた「緑ナンバー」を取得する必要がある。このため、自家用の白トラを使った有償での運送行為は現在も摘発の対象になる。  昨年6月、議員立法として成立した改正貨物自動車運送事業法では、白トラに有償で運送行為を行っている者だけでなく、依頼した荷主に対しても厳罰化を図った。  緑ナンバーを取得し、有償で運送行為を行うためには、ドライバーの安全管理や労働時間管理、運行管理者の選任といった要件をクリアしなくてはならない。こうした要件を満たさない白トラは緑ナンバーよりも安価で営業できるため、トラック業界全体の処遇改善を阻害することにつながる。  改正法では、緑トラックの許可に5年の更新制を導入したり、適正原価を下回る運賃・料金を制限したりするなど、緑ナンバーにも質の向上を求めた。これらに加え、白トラに依頼した荷主にも罰則を設け、トラックドライバーやトラック業界の社会的地位の向上を図る。違法な白トラに依頼した疑いのある荷主は、地方運輸局の「トラック・物流Gメン」の指導対象にもなる。  建設現場では、かつて白ナンバーのダンプがアスファルト合材を現場に直送する「現着オーダー」が主流だった舗装業界の反応が敏感だ。現在も、ダンプ表示番号を取得して公共工事に従事する事例もあるほか、割高で台数が少ない緑ナンバーではなく、白ナンバーに頼らざるを得ない合材工場もあるという。  法改正により、白トラに運送行為を有償で委託してはならないことが明確になった。しかし、国交省は「自己のなりわいと密接不可分と判断される場合はその限りではない」(貨物流通事業課)としており、白トラでの有償運送が可能な場合もあるという。同課では「地方運輸局が個別に判断する」としつつも、建設工事の請負契約を結び、施工に付随して白トラでの運送行為も、適法と判断されるという。  とは言え、荷主や白トラに対する厳正な取り締まりが行われると、白ナンバーで営業していた個人事業者の廃業が増えることも予想される。ダンプの運賃が上昇すると、合材などでは、現在の「運賃込み」の単価を見直し、製品単体の単価と運賃を分離して販売することにつながることも考えられるという。