金子国交大臣 名古屋港を視察 AGV・TOSなど見学

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業務艇に乗り込む金子大臣(中央)

 金子恭之国土交通大臣が12月24日、名古屋港を訪れ、港湾業務艇による海上視察や、飛島ふ頭南側コンテナターミナル(愛知県飛島村)の視察を行った。同港関係者とも意見を交換。政府が重点投資対象とする危機管理・成長の戦略分野に「港湾ロジスティクス(物流)」が盛り込まれたことを踏まえ、国内最先端とされる同港の現状を確認した。  意見交換では、名古屋港管理組合や名古屋四日市国際港湾、名古屋港運協会の担当者が同港のサイバーセキュリティーに関する課題や対応策などを説明。飛島ふ頭南側コンテナターミナルでは、無人搬送台車(AGV)を活用したコンテナの荷役作業や、管理棟のターミナルオペレーションシステム(TOS)を視察し、コンテナの搬出入などをオペレーションルーム一元的に管理している様子を確認した。  金子大臣は、視察後に報道陣の質問に答え、名古屋港について「コンテナヤードや自動車運搬船など、それぞれの分野が機能的に運営されている。2023年に発生したサイバー攻撃も乗り越え、NUTSという統一したターミナルシステムなど最先端のシステムを導入しており、模範的な港であると感じた」と感想を述べた。  名古屋港は、総取扱貨物量が23年連続日本最多の国際拠点港湾。自動車や航空・宇宙をはじめとする中部地域のモノづくり産業を、材料・エネルギーの輸入、製品の輸出の両面から支えている。一方で、23年7月4日には、名古屋港統一コンテナターミナルシステムが、サイバー攻撃によってシステム障害が発生し、復旧までの3日間、コンテナ荷役作業が遅延するなどの被害が発生。今回は、これらを踏まえた視察となっている。  また、飛島ふ頭南側コンテナターミナルは、水深16㍍の大水深岸壁。主に北米、欧州向けのコンテナを取り扱っており、05年12月の開業時から、世界で初めて遠隔操作RTGを取り入れた。さらに、08年には日本で唯一であるAGVを導入するなど、荷役効率向上に向けた取り組みが進められている。