2025年 神奈川県の重大ニュース
神奈川
インフレ経済が定着し、物価高と人件費の高騰が続く。公共工事設計労務単価は13年連続で上昇したものの、工事価格への反映は公共事業と民間工事の間にばらつきがあり、神奈川県下で大規模事業の入札不調が増加している。また、年初に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故をきっかけにインフラの老朽化が大きくクローズアップされた年でもあった。神奈川県の建設関係の重大ニュースを振り返る。
■八潮市道路陥没事故で県下8団体が下水管一斉調査
埼玉県八潮市で1月に発生した道路陥没事故をきっかけに、下水管の老朽化に対する課題認識が急速に高まっている。国交省は設置から年数が経過した大規模な下水管を対象とした「全国特別重点調査」を地方公共団体に要請し、県内では8団体が本年度末までの完了を目標に調査を開始した。国交省が9月までにまとめた優先実施箇所の調査結果によると、緊急度が高く原則1年以内の対策が必要な箇所は県内6団体で計延長約3・9㌔あった。
■神奈川県 最低制限価格率の引き上げを検討
神奈川県議会が国に最低制限価格率の中央公契連モデルの引き上げを求める意見書を提出し、県土整備局はこれを受けて県独自の見直しに向けた検討を始めた。最低制限価格率の「一般管理費等」の係数を独自で引き上げた他県へのヒアリングも実施しており、労務単価や建設資材価格が大幅に上昇していることを踏まえ、物価高騰なども加味した見直しの可能性を探るとした。
■花博 政府出展起工式に高市首相
2027年に横浜市で開催する国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027)に向けて11月、日本政府出展の起工式が開かれた。高市早苗首相が登壇し、「関係自治体や経済界と連携し、政府が一丸となって整備と機運醸成を進めていく」とあいさつ。開催に向けた意欲を示した。
■横浜駅東口 再開発へ概要明らかに
横浜駅東口にある「横浜中央郵便局」周辺一帯の再開発に向け、準備組合が6月に発足した。新築する建物は地上45階建て・延べ床面積約21万5000平方㍍、最高高さ約231㍍の規模となる。オフィスや商業施設、ホテルといった用途の他、〝空飛ぶクルマ〟の離発着場も整備する計画。2028年度に工事を始め、37年度の供用開始を目指す。
■横浜市 工事を電子契約に全面移行
横浜市は2025年度から、市発注工事・製造請負契約案件について原則として電子契約に全面移行した。紙書類の削減や受発注者双方の利便性向上などにつなげる狙い。「物品・委託等」については段階的に導入を拡大している。
■鎌倉市の新庁舎整備は「両輪体制」
鎌倉市は新庁舎整備について現在の本庁舎の位置は変えず現地で建て替え、深沢地区に分庁舎として新庁舎を新築する「両輪体制」の方針を打ち出した。基本設計を日建設計で進めていたが、位置条例の否決により中断。12月議会への組み直し予算上程も断念している。新庁舎の規模は地上5階+免震層で約2万4300平方㍍。概算事業費は約170億円。本庁舎は新庁舎開庁後に工事着手し、最短で36年頃の開庁を想定する。規模は地下1階地上2階建て延べ約1万3160平方㍍。概算事業費は約140億円。
■大磯町庁舎 概算事業費72・8億でDB 2月上旬候補者を選定
大磯町は新庁舎整備事業の事業者を選定するため、設計施工一括発注(DB)方式による公募型プロポーザルの手続きを開始した。2026年2月上旬に優先交渉権者を決定、同年3月の町議会の議決を経て契約する。概算事業費は従来より29億2000万円増の72億8100万円。新庁舎の想定規模は延べ床面積約5500平方㍍。建設地は東小磯183他。
■横須賀市浦賀駅前で1000億超投じ開発
横須賀市の浦賀駅前周辺の約15万平方メートルの敷地では、事業費1000億円超の巨大プロ ジェクトがスタートした。ホテルやマンション、商業施設の他、ミュージアムやカフェ、行政センターなどの機能を持つ海とまち共生センターなどを建設することで新たな都市拠点を形成し、「第二の開国」を目指す。17社で構成する「Team Perry'sグループ」が開発を進め、2029年以降に段階的に供用開始していく計画。
■日産 追浜工場の生産終了へ
日産自動車(横浜市西区)は、経営再建の一環で追浜工場(横須賀市)の車両生産を2027年度末に終了することを決めた。同工場では約54㌶の広大な敷地を使って累計で1780万台の製品を国内外に供給。神奈川県内の経済をけん引してきた。イヴァン・エスピノーサCEOは「現状の課題を克服し、持続可能な未来を築くための重要な一歩」とコメント。神奈川県や横須賀市、横浜市は地域経済の活性化に向けた跡地利用を求めている。
■死亡災害が全国ワースト、労働災害は減少
県内建設業の死亡災害が昨年に続き多発している。2025年は11月末現在で15件と全国ワーストのペースで推移。特に若年層の割合が多く、現場の教育が課題となっている。ただ、休業4日以上の労働災害の減少傾向は続いており、昨年比14%減(11月末)と大きく改善した。
