第3次担い手3法の先見据え議論 月給制、働き方が検討課題 国交省

中央
 国土交通省は12月24日、今後の建設業政策に関する有識者勉強会を開き、第3次担い手3法でフォローしきれなかった検討課題として、日給月給制や時間外労働規制をはじめ、現場の働き方を巡る課題について議論した=写真。2026年3月にかけて議論を重ね、対応の方向性を示す。  楠田幹人不動産・建設経済局長は、建設産業が持続的に発展するには「現在、建設業に従事している人が最大限活躍できる環境づくりや、未来の担い手が働きたいと思える職場づくりが必要だ」と述べた。人材の確保だけでなく、教育や配置、就労環境整備について議論を深めるよう求め、建設業が労働市場に選ばれ、多様な人材が活躍できる政策を検討するとした。  24年から建設業に適用された時間外労働規制をはじめ働き方に関する諸制度や、それに対応するための経営戦略、日給月給制など給与の在り方、一人親方についても議題とした。楠田局長はこれらのテーマについて「第3次担い手3法では必ずしも十分に対応しきれていない検討課題として残っている」とし、今回の議論を踏まえて対応を検討する考えを示した。  国交省が実際に集めた若い世代の声などを踏まえ、建設業の魅力の発信や業界のイメージアップにどのように取り組むかについても話し合った。  実態に即した議論を進めるため、勉強会の委員を務め、建設分野に詳しい社会保険労務士の櫻井好美アスミル代表が関係する制度を解説した。  また、研修施設の運営を通じた社内外の人材育成、小学生~高校生向けの職業体験会などを実施している東陽電気工事(福島県西郷村)の石川格子代表取締役が臨時委員となり、人材育成の取り組みについて紹介した。  勉強会は、建設業が持続的に成長するための政策として、求められる大手ゼネコン・地域建設業の在り方や、企業評価の仕組みを議論する場。26年3月までに全7回の開催を予定している。今回は5回目に当たり、前回に引き続き人的資源が主な議題となった。  これまでに、人的資源を巡っては、業務の繁閑差や重層下請けの存在、中小零細企業が占める割合の大きさが人的資源の活用を難しくしているとの問題意識の下、建設業の構造的な課題を話し合った。DXの推進や就労環境の整備、女性・若者に選ばれる産業となるための方策についても議論した。