金子恭之国交相「新時代の建設業つくる」 労務費の基準、実効性あるものに 

岡山
 金子恭之国土交通相が建設専門紙の共同インタビューに応じ、2026年を迎えるに当たり、自身が先頭に立ち、「新しい時代の建設業をつくり上げる」との決意を示した。昨年12月の改正建設業法の全面施行を受け、「第3次担い手3法の事実上の初年度になる」として、「労務費の基準が実効あるものとして、全国の現場の隅々まで広く浸透し、技能者の処遇改善や担い手確保につなげたい」と強調した。  ―改正建設業法の全面施行を受け、受発注者の対応に何を期待しますか。  「建設業は社会資本の整備・管理に加え、災害時には現場で応急復旧に対応する地域の守り手として、国民の生命・財産・暮らしを守り、地域の雇用確保や経済成長を支えている。これからもなくてはならない重要な産業だと考えている。ただ、人に支えられ、成り立っている産業である建設業では、技能者の高齢化が急速に進み、賃上げなどの処遇改善や働き方改革、担い手の確保が喫緊の課題になっている」 ■サプライチェーンで協力を ―改正建設業法の労務費の基準により、これからの建設産業をどのように変えていこうと考えていますか。  「昨年12月に全面施行した改正建設業法に基づき、国が適正な労務費の水準を示す労務費の基準を作成し、技能者に適正な賃金を支払う原資を確保する仕組みを整えた。受発注者がこの仕組みについての理解を深め、積極的に実践してもらうことが大切だ。実効性のある取り組みとなるよう、サプライチェーン全体で協力してこの仕組みを前に進めてほしい」  「今年は、第3次担い手3法の事実上の初年度に当たる。私自身が先頭に立ち、関係者が一丸となって、処遇改善や働き方改革などの施策をさらに進め、技能者一人ひとりを大切にし、必要な労務費をきちんともらい、技能者にしっかり給与を払う企業が評価される、『新しい時代の建設業』をつくり上げたい」 ■若年層確保 優良事例を共有 ―建設業の人手不足は年々深刻化しています。人材の確保・育成をどのように支援しますか。  「若年層の確保に向け、国交省、厚生労働省、文部科学省、建設関連訓練校、教育関係、建設業団体でつくる『若年者入職促進タスクフォース』を1月に開き、国の制度や優良事例の情報共有を図りたい。外国人材についても、特定技能外国人の円滑・適正な受け入れ、建設技能人材機構(JAC)の無料日本語講座などに引き続き取り組む。27年度の育成就労制度の施行に向けた準備も進めなくてはならない」 ■i-Con2.0 インフラデータを資源に ―建設業界も担い手不足に向き合い、生産性向上に取り組んでいます。国交省は建設現場の生産性向上をどのようにリードしますか。  「40年までに建設現場で少なくとも3割の省人化、生産性を1・5倍向上することを目指し、建設現場のオートメーション化に取り組むi-Construction2・0を進めている。昨年は、建設機械の自動施工・遠隔施工を直轄工事や災害復旧の現場、海外の復興支援に活用した」  「昨年4月には、『インフラ分野のオープンデータの取組方針』もまとめた。国交省が持つさまざまな分野のデータと民間のデータを連携させる『国土交通データプラットフォーム』を利活用し、これまで埋もれていた膨大なインフラデータを資源として整理する。産学官連携のオープンイノベーションを創出することで、施策の効率化と高度化を加速させる。さらに、昨年末に政府の人工知能基本計画が閣議決定したことを踏まえ、インフラ分野でもAIの利活用を進めたい」