江東CIGビジョン推進協会が目指す「みどりのライフライン」の実現
中央
左から森岡理事長、広田副理事長、上田副理事長
緑が多く、「昔」と「今」が混在するまち・江東区。「一般社団法人江東CIGビジョン推進協会」は、かつて江東区に「CITY IN THE GREEN(CIG)」を提唱した元江東区区長の故・山崎孝明氏と、造園コンサルタントとして「CIGビジョン」の策定にも関わった故・鍵山喜昭氏のビジョンに賛同し、区内造園業者5社で構成する団体「江東CIG造園推進サポーター」として結成した。
以降、2014年から区内造園業者を中心に勉強会を重ね、15年にはシンポジウムを開催。さらに、国家を挙げて「緑の国づくり」を行ったシンガポールの知見を学ぶなど、構想の具体化と機運醸成に努めてきた。現在、造園業者の加盟は10社に拡大。現理事長の森岡好和氏は、「これまで任意団体として、実績を積み上げてきたが、江東区の『みどりの基本計画』をより深く具現化するため、2023年に一般社団法人として法人格を取得した。法人化によって組織の認知度を高め、造園のプロフェッショナルとして、区が目指す緑豊かな環境づくりにより深く貢献していく」と強調する。
その上で、都市のインフラとしての「みどりのライフライン」を実現する重要性を掲げる。「われわれが目指しているのは、公園や街路樹、河川敷から民有地の公開緑地までを1本の線で結ぶ『みどりのライフライン』の実現となる。これは単なる景観の向上にとどまらず、ヒートアイランド現象の抑制や酸素供給など、都市生活を支える重要なインフラとして機能するものだ」と語る。同協会は、江東区と災害時応急対策に関する協定を結ぶ「江東造園業災害防止連絡会」と同体であるという。団体として「江東区防災協力連合会」の一翼を担い、他の4団体と連携し、毎年防災セミナーや訓練に参加している。日頃の保全活動と災害時の応急対策の両面から、安全なまちづくりを支えている。
一方、同協会の上田弘明副理事長は、「江東区の緑は、外来種の害虫『クビアカツヤカミキリ』による深刻な被害に直面している」と危機感をつのらせる。この害虫はサクラやウメの内部を食い荒らして空洞化させ、数年で枯死や倒木を招く恐れがある。「これを緊急の課題と捉え、自主的な現場確認や事前調査、勉強会を重ねてきた。区内桜の名所や生態系を失わないために、当協会では区内全域で樹木医による精密な診断を推進することを要望している。プロの目による適切な管理が、倒木リスクを排除し、安全で美しいまちを築けるようになる」と指摘する。
広田巖副理事長は、「緑の環境を守り育てるためには、行政・業者・区民が一体となった取り組みが不可欠」と強調する。「グリーンコミュニティ会議」への参加や、民間領域における助成金の活用推進、また技術的なアドバイスを行う勉強会の開催などを通じて、区民参加型の保全活動を支援していく。「みどりのライフラインを江東区全域に実現すること。専門技術者としての誇りを胸に、みどり豊かな環境を次世代へ引き継いでいくことがわれわれの役割だ」と意気込む。
