現場データ流出リスクを解消 月額10万円のAIエッジワークステーション FIXER

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GaiXer ThinkStation

 FIXER(東京都港区)は、レノボ・ジャパン(同千代田区)の最新AIワークステーション「ThinkStation PGX」と、自社の生成AIサービス「GaiXer(ガイザー)」を組み合わせた、企業向け「GaiXer ThinkStation」を発表した。提供開始は2026年1月を予定。クラウドに接続せず生成AIを活用したい企業への導入を見込む。  このソリューションの最大の特長は、機密性の高い設計図や取引情報などをインターネット経由で外部に送ることなく、LAN環境内(オンプレミス)でAI処理を完結させる「閉域型AI」である点だ。これにより、情報漏えいリスクに慎重にならざるを得なかった建設業界でも、安心して生成AIを本格導入する基盤が整う。  ハードウエア、ソフトウエアを一体化したこのシステムは、レノボの高性能AIワークステーションを採用し、2000億パラメータ級の大規模言語モデルも高速の処理が可能という。  特に注目すべきは、戦略的な価格設定にある。FIXERの松岡清一代表取締役社長は、「GaiXer ThinkStationは、月額10万円で提供する。この価格は、人手不足に悩む中小・中堅の建設企業でも導入しやすくなる」とした上で、「月10万円で知的で過酷な労働を代行してくれる人間はいない」と強調する。属人的な業務をAIが代替することで、実質的な人件費削減と業務効率化が両立できる。高額なクラウド利用料や、生成回数に応じたAPI課金の心配がない定額制である点も、コスト管理を容易にする大きなメリットという。  FIXERは、この「閉域型AI」と「戦略的価格」によって、日本国内でいまだ55%を占めるオンプレミス環境の市場、さらにはこれまでクラウドAIの導入が進まなかった業界の獲得を目指す。高性能なAIプラットフォーム「GaiXer」には、企業の社内データを読み込ませるRAG機能(検索拡張生成)が標準搭載されており、現場特有の専門知識に基づいた高精度な応答を可能にする。施工要領書や基準書など膨大な資料をRAGで瞬時に検索・参照できる「技術文書アシスタント」としての利用も可能なようだ。電源とネットワークを接続するだけで利用を開始できる初期設定済み環境で提供され、導入後のサポートもFIXERが一貫して担当する。  この日本発の「現場完結型AI」モデルは、セキュリティーを重視しながらDXを推進したいという企業のニーズを捉えている。既に、自治体、金融業界、医療業界ではGaiXerによる業務削減効果が実証されており、建設業界においても、人手不足が深刻化する中でAIの内製化が加速することが期待されている。松岡社長は、「月額10万円で、データは外に出さず、AIの働き手を確保するというこの新たな選択肢が、建設業界の生産性向上と企業の成長を後押しする標準となる可能性を秘めている」と強調した。