公共事業費は「220億円増」 当初予算でナゼ増えない?
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このコーナーでは、ベテランたぬき記者の「ぽんせつ先生」が、知りたがりの九官鳥「キューメット」の質問に答えます(Q=キューメット、P=ぽんせつ先生)。
Q.来年度の当初予算が決まったんでしょ。
P.昨年12月26日の仕事納めの日に政府の2026年度当初予算案が閣議決定しました。歳出総額は122兆3092億円。前年度額を6・2%上回っています。
Q.ぽんせつ先生の好きな公共事業費は増えた?
P.公共事業費は0・4%増の6兆1078億円です。金額ベースでは「220億円」の増額ですね。
Q.0・4%増?物価上昇を反映するって言ってたじゃん。増えてないじゃん。
P.資材価格と労務費は、21年度以降に3割上昇していますが、当初予算の公共事業費はこの間横ばいで推移しています。23年度、24年度の補正予算で物価上昇分に充てていた国土強靱化緊急対応枠は、25年度補正予算には設定されておらず、物価上昇分を十分に反映したようには見えません。
Q.話が違うじゃない。どうなってんのよ。
P.当初予算の公共事業費は13年度以降に増加に転じましたが、増加額は数十億円にとどまっていました。その意味では、例年と比べて増加額は大きくなりました。国交省は、当初予算と補正予算と合わせると2・7%増額しており、直近1年間の物価上昇率を確保できたとしています。
Q.もういいよ。ほかの省庁はどうなの?
P.防衛費は3・8%増額しました。政府は23年度から5年間の防衛費の総額を43兆円とし、GDP比率2%を確保するとしていましたが、この目標を前倒しで達成しました。防衛費には、建築工事などに充てられる予算も含まれています。自衛隊施設の建て替えなどの予算は前年度比26・3%増の8784億円へと大幅に増額されいます。
Q.へえ。農業土木っていうのもあるんでしょ。
P.農林水産省省も7026億円を計上しましたが、伸び率は0・9%と横ばいです。コメの価格上昇を発端として、農業構造転換集中対策という事業を別枠で立ち上げています。この中にも農地の大区画化などの公共事業費が含まれています。
Q.防衛省と農水省の予算はなぜ増額されるの?
P.政権の優先順位もありますが、大きな違いは財源です。防衛費の増額には国有財産の売却益や所得増税による税収の上振れ分が充てられる見込みです。農水省も、今回の新事業の立ち上げに合わせ、日本中央競馬会(JRA)の収益1000億円を国庫に納付するとしています。増額に耐えられる財源を確保できないと、当初予算の公共事業費はこれからも同じ規模で推移するのかもしれません。
