2026年は何が変わる 賃上げ原資確保に「取適法」

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 2026年にも、建設企業の対応が必要な法制度の見直しが予定されている。すでに1月1日には、下請け法・下請け振興法を改正した「取適法」が施行された。建設資材の製造委託などでは、発注企業に対し、協議に応じない一方的な代金決定と手形の交付を禁止している。昨年12月に全面施行された改正建設業法と同様、適切な価格転嫁を後押しし、企業が賃上げの原資を確保できるようにするのが狙いだ。このほか、個人事業者の安全衛生対策を強化する改正労働安全衛生法も1月1日から段階的に施行される。 ■資材の製造委託が対象に  1月1日から、下請法は「中小受託取引適正化法(取適法)」、下請振興法は「受託中小企業振興法(振興法)」に名称を変更。法律上の用語も下請事業者を「中小受託事業者」に変更した。下請けが代金の引き上げを協議しようとしても、親事業者が協議自体を拒否したり、回答を引き延ばしたりした場合、法違反を問われる。  取適法が建設工事の請負契約に適用されないのは、改正前と同じだ。取適法が適用されるのは、建設資材の製造を委託する製造委託、請け負った建築工事の設計業務を外部委託するケースなどに限られる。  取適法では、支払い手段としての手形払いも禁止した。ただし、建設工事の請負契約では、特定建設業者が発行する手形の現金化までの期間が60日を超えると「割引困難な手形」とされ、指導の対象となる。 ■改正安衛法 個人事業者を保護対象に  一人親方ら、個人事業者を安全衛生対策の保護対象に追加する改正安衛法も、1月1日から段階的に施行される。2021年の建設アスベスト訴訟の最高裁判決を受け、個人事業者を安衛法の保護対象に追加する。4月1日からは、元請けの安全衛生管理の対象が、自社・協力会社の労働者だけでなく、個人事業者にも拡大される。  27年1月1日からは、個人事業者の労働災害も、個人事業者自身や注文者が報告できる制度が新設される。報告は原則として電子申請となる。  個人事業者関連以外では、職場で増加する高齢層について、4月1日から雇用する企業に労働災害の防止措置を講じる努力義務が課される。身体機能の低下した高齢層に適した安全衛生対策を講じられるよう、厚労省のガイドラインに沿った具体的な措置を求める。 ■建築確認にBIMデータ 夏には経審改正も  建築分野では、BIMを建築確認申請に利用するBIM図面審査が4月1日に始まる。3次元モデルから生成されたPDF形式の設計図書と、参考資料としてIFCデータを提出すると、平面図・立面図・断面図など図面間の整合チェックが不要になり、審査期間が短縮される。29年春からは、IFCデータ自体を審査対象とするBIMデータ審査へと移行する。  昨年12月の中央建設業審議会の総会で了承された経営事項審査も改正され、7月1日に施行される。  労務費を内訳明示した見積書の作成、技能者の適切な処遇確保、建設キャリアアップシステムの就業履歴を蓄積する環境整備などに取り組み、宣言書を提出した企業に対する加点措置を創設する。建設機械を保有している企業に対する加点措置の対象には、能登半島地震の応急復旧工事で使用された不整地運搬車とアスファルトフィニッシャーを追加する。