フロアエージェント 共同開発で省人化・省力化を実現

東京

代表取締役 又吉雄二氏

 大型物流倉庫や工場など広い面積を対象とした土間コンクリート床の施工。平坦性や耐久性、美観といった品質に直結する要素を高いレベルで確保するには、腕の立つ「職人の技」が不可欠だ。一方で、熟練技能者の減少はこの先、確実に進む。建設に関連した企業の経営者であれば、誰もが直面している懸案といえる。こうした課題の解決には省人化・省力化が必須と考えたフロアエージェント(足立区)の又吉雄二社長は、施工に関わる工程の「オール機械化」を決断。2022年には自社開発した「LCS工法」が特許を取得、現在では北海道から沖縄まで施工エリアを広げ、年間施工実績も100万平方㍍を超えるまでになった。又吉氏は「技術開発はゴールでなくスタート。現場で使われてこそ、初めてその真価を発揮する」と強調する。  もともと、土間コンクリート床の施工ではその高い技術と品質で知られていた同社だが、ゼネコンからの一次下請けとしての受注は難航していた。この苦境を打開するため、他社に先駆けて機械化工法を取り入れることにしたが、そこには、グループ会社として建機や左官材の開発からレンタルまでを担うDXマテリアル社の存在が大きかったという。従来、コンクリートの打ち込みから仕上げまでは熟練した技術を持つ職人の分野。オール機械化の導入を伝えた際は、当然のごとく彼らからの反発もあったようだ。それでも、LCS工法による施工実績を着実に重ねた結果、一次下請けとしての受注も舞い込むようになり、売り上げは伸びていった。その理由を「機械化によって広い面積の施工を作業員の負担を軽減しながら進めても、安定したレベル精度を維持することを、誰が見ても分かるよう可視化したからだ」と振り返った。  今では現場施工の見学会を開催すると大手ゼネコンから中小企業まで、床施工に携わる関係者が100人以上参加するようになった。昨年5月の見学会では全工程で施工機械を電気駆動化した新LCS工法を実演するとともに新商品の締め固め専用のスラブレーターを発表。この新工法の導入で脱炭素化と生産性向上を両立するという一つのモデルケースを示した。  近年、物流倉庫は事業運営を最適化するため機械やデジタル技術を活用して倉庫内作業を自動化している。その結果、機械の走行ルート保護や人との接触を避けるため、床のひび割れ・表面剥離を防ぐ施工品質が求められる。また、安定したレベル精度に加え、見た目も重視されている。新工法の導入は「これまで1000平方㍍当たり12人を要していたコンクリートの打設から仕上げの作業を7人まで削減でき、高い品質確保とさらなる効率化につながる」と又吉氏は語る。  同社は昨年、米国ラスベガスで毎年開催されているコンクリート建設業界に特化した「ワールドオブコンクリート」に初出展。かっぱきアシスト機「KAPPER」とコンクリート床仕上げ機(電気駆動)のリバイブスクリードを展示した。KAPPERは特に好評で現地の施工業者から購入や代理店契約の話があったという。一方、リバイブスクリードは米製品よりサイズも小さくバッテリー駆動だったことが高い評価を受けた。現在、ライセンス契約について米国企業と話を詰めているところだ。さらに今年は、昨年より広い展示スペースを確保し、さらなる市場の開拓を視野に入れる。  「土間コンクリート床の施工は海外の方が技術面で一歩先を行っている。次世代の施工機械を学びに海外を視察し、機械のオペレーション能力と職人の手仕事をどう融合させるのか研究を続けていく」。今後も挑戦を重ね、次世代を担う先端技術・商品の開発を継続しいく構えだ。