神奈川県 護岸嵩上げなど施設整備は段階的に 相模灘の海岸保全施設
神奈川
神奈川県は、相模灘沿岸海岸保全基本計画の改定素案をまとめ、2100年の計画上の護岸の高さは現行計画と比較して平均1・4㍍高くなると結論付けた。県西部の地域では気候変動の影響が大きいが、約75年後の気候変動の予測は不確実で変動する可能性も高いため、当面の間は段階的な整備を進めていく方針。来年度以降は施設整備に向けて、住宅が密集する地域や護岸などの高さが不足している地域など整備の優先順位が高い箇所を整理、地元市町村と協議しながら整備に着手していく。
県ではこれまでにも護岸など海岸保全施設の整備や養浜を実施してきた。本年度は小田原市の前川地区で護岸を既存の高さ9㍍から最大11・5㍍に嵩上げする工事を進めている。一方、現行計画に対して高さが不足している地域も残っている。
改定素案では21世紀末までに平均気温が2度上昇するシナリオを前提に、計画上の護岸などの高さを定めた。高潮・高波に対する高さと津波(数十年から百数十年の比較的高い頻度で起こる津波)に対する高さを比較して、高い方の設計水位に余裕高を足した値とする。
県西部は高潮・高波が発生しやすいため気候変動の影響が大きく、計画上の護岸の高さは平塚地域では現行計画と比べて平均2・1㍍、小田原地域では平均1・8㍍高くなった。最大の高さは二宮町二宮と小田原市東町の15㍍、次いで二宮町梅沢の14・5㍍となる。基本的な考え方としてはこれらの高さに合わせて護岸の嵩上げなどを行うことになるが、高潮・高波への対策については必ずしも高さ15㍍を確保するのではなく、離岸堤や人工リーフの整備といった沖合で波の勢いを弱める対策を組み合わせることで、目指すべき護岸の高さをより低くすることもできる。護岸などは景観への影響も大きいため、地元市町村と意見交換しながら整備の内容を検討していく。
基本計画に示した護岸の高さに対して大規模な嵩上げなどが必要な箇所では、2100年よりも手前の水準に合わせて整備するなど段階的な整備を進める。来年度以降は現状の施設の規模や被害の想定を精査した上で、住宅などが密集している地域、護岸などの高さが不足している地域といった優先順位が高い箇所を整理。護岸や堤防の嵩上げなどについて、景観や海岸へのアクセス性の確保などに配慮し、地元市町村と調整しながら整備に着手していく予定だ。
