普通科高校にも建設業の魅力発信 「つなぐ化事業」で入職者確保
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普通科へのアプローチが、就職希望者の裾野を広げることにつながるのか(写真はイメージ)
厚生労働省は、高校生に建設業の魅力を発信し、人材確保につなげる「つなぐ化事業」について、2026年度から普通科高校にも積極的に展開する。高校生向けの現場見学会の開催などを支援するこの事業は、工業高校での実績が大半を占める。人材の裾野がより広い普通科高校にもアプローチできるようにし、担い手の確保に事業を役立ててもらう。
つなぐ化事業では、厚労省の外部委託事業として、建設業の仕事や企業の情報を求める高校と人材の掘り起こしにつなげたいと考える企業・団体をマッチングする。現場見学会や意見交換会を開いたり、出前授業で建設の仕事を体験できる機械を提供したりする。
24年度の実施回数は151回。鉄筋組立実習・鉄筋圧接工事体験や、左官・重機・測量の体験、建築用3Dプリンター見学などを行い、高校生約3300人が参加した。参加した高校生の満足度も高く、「非常に人気のある事業」(厚労省職業安定局雇用開発企画課建設・港湾対策室)だという。
ただ、参加者は、もともと建設業への就職を希望している工業高校生が多く、普通科高校での実績は10回と全体の1割に満たない。厚労省は、つなぐ化事業への参加前後で、就職先として建設業に関心を持った生徒が増加したかどうかを、事業の成果目標としている。工業高校での事業の実施が多かった24年度はこの目標を達成できなかったため、普通科高校の生徒にも積極的にアプローチし、建設業への関心を高めてもらう必要があると考えている。
建設企業、建設業団体からも、つなぐ化事業を普通科高校でも実施してほしいという声が強まっており、厚労省は25年度もつなぐ化事業の受託業者に普通科高校のニーズの掘り起こしを要請。26年度は、普通科高校と建設企業をさらにマッチングできるよう、事業の見直しを検討している。
■厳しい工業高校生の採用
少子高齢化に加え、志望者数の減少により、全国で定員割れする工業高校が相次いでいる。生徒数の減少により、建設業に人材を輩出してきた建築・土木学科の廃止も相次いでいる。それでも工業高校生を採用しようと、これまで大卒者を中心に採用してきたゼネコンや国・地方自治体が、工業高校への採用活動を強化しており、地域の建設業にとって工業高校生の採用が年々厳しくなっている。全国工業高等学校長協会によると、24年度の工業高校生の求人倍率は31・9倍にも上っている。
すでに、工業高校だけでなく、普通科高校にもターゲットを広げて採用活動を進める地域の建設業も増えている。24年度には1級技術検定の第1次検定で学歴要件が廃止され、普通科高校の卒業生でも、19歳以上であれば受験資格を得られるようになった。普通科高校の生徒も即戦力化しやすい環境が整ったことも、こうした動きを後押ししている。
