横浜市 通行障害解消率は90.3% 伸び率鈍化続く

神奈川
 横浜市のまとめによると、耐震診断を義務付けている沿道建築物について、通行障害解消率が3月末までの見込みで90・3%になることが分かった。伸び率が低い傾向が続いており、25年度末までを期間とする耐震改修促進計画で掲げた目標92%の達成には至っていない状況。建物所有者への働き掛けを継続するとともに、建て替えの際に容積率を緩和できる制度の対象とすることも検討している。  棟数ベースでは、沿道建築物の総棟数464棟に対して耐震性が不十分なのは284棟あり、現行の第3期耐震改修促進計画を策定した当時の21年3月と比べ総棟数3棟減、耐震性不足数40棟減となった。  着実に耐震化が進んではいるものの、沿道建築物と同様に耐震診断を義務付けている大規模義務建築物(不特定多数が利用する病院や店舗など)の耐震化率が96%に達していることや、発災後の迅速な避難と物資輸送の機能を確保するという社会的意義を踏まえ重点的に対策を働き掛けたい考え。  4月に策定予定の第4期耐震改修促進計画では、30年度までに通行障害解消率93%達成を目標に設定。今後5年間でさらに約9㌔の通行障害解消に取り組む必要がある。  具体的な対策としては、建物所有者への働き掛けとして、「トータルサポート」を継続。診断から設計、工事の各段階で区分所有者やテナントなどとの合意形成が円滑に進むよう、専門家を派遣する。  さらに、耐震化の状況と道路の閉塞リスクを示す「閉塞リスクマップ」を作成・公表して、所有者の危機意識を高めていく。  また、耐震性の向上には建築物の除却・建て替えも有効な手法となる。耐震性が著しく低い場合以外にも、建物の機能上、耐震改修工事が難しかったり、設備などが老朽化して耐震改修だけでは使用の継続が難しかったりする建物などは除却・建て替えをせざるを得ない場合もある。  これらの状況を踏まえ、市では市街地環境設計制度を4月1日に改正し、緊急輸送路沿いの建築物の建替えの際に容積率を緩和できるようにする方針だ。 =病院耐震化へ県予算に要望=    一方、大規模義務建築物については、病院の耐震化が課題となっている。特殊な設備が多いことや、病院運営を続けながら工事する必要があるためだ。  山中竹春市長は神奈川県の26年度当初予算案に関する要望の中に病院の耐震化対策を新規で追加。耐震化が進まない主な要因には病院側の自己資金の不足が挙げられるとして、国による医療施設等耐震整備事業の補助制度について、拡充に向けて連携するよう求めた。12月に黒岩祐治知事宛てに要望書を手渡している。