「出国税」財源に観光資源整備 歴史まちづくりに充当

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 昨年末に閣議決定した政府の税制改正で、7月1日からの引き上げが決まった国際観光旅客税(出国税)が、観光資源となるハード整備の財源として活用できるようになる。国土交通省は2026年度から、出国税を財源として、歴史的なまちなみの整備を支援。観光資源となる歴史的建造物の修景や歴史まちづくりにも活用できるようにする。  政府は26年度の税制改正大綱で、国際観光旅客税の税率を現行の1000円から3000円に引き上げることを決定。7月から国外に出国する旅客に新税率を適用する。  出国税の税収は24年度に500億円を超えるなど増加を続けている。25年の訪日外国人旅行客数は初めて4000万人を超えるなど、さらなる増収も見込まれる。税率が現行の3倍となる26年度は1300億円の税収を見込んでいる。  税収増に合わせ、観光まちづくりに活用されていた観光庁の補助事業「地域の観光資源充実のための環境整備推進事業」は、26年度に使途を拡大する。26年度からは、国交省都市局が歴史的なまちなみの整備や道路の美装化に対する補助を執行。補助事業の予算額を前年度の19億円から40億円に倍増する。  支援対象となるのは、歴史まちづくり法に基づく計画認定を受けた市町村。現行法では、計画認定を受けるために区域内に重要文化財などがある必要があるが、法改正によって要件を緩和し、自治体指定の文化財でも認定を受けられるようにする。1件当たり最大2億円を補助する。  今回の税率の引き上げは、訪日外国人旅行客の急激な増加に伴い、受益者負担で「観光財源」を整備しようという試みだ。この財源は、観光資源の充実だけでなく、全国の観光地が頭を悩ましているオーバーツーリズム対策にも活用される。 ■財源の有無で明暗  昨年末に閣議決定された政府の26年度当初予算案は、過去最大の122・3兆円となったものの、事業別ではこうした財源の有無によって明暗が分かれた。公共事業費が微増にとどまった一方、「防衛特別所得税(仮称)」などの財源を手当することが決まった防衛費は、9兆円台を確保し、過去最大となった。  農林水産省は、農地の大区画化などの財源に日本中央競馬会(JRA)の収益の一部を活用する。1月23日に召集される通常国会にJRA法改正案を提出し、29年度までの4年間で総額1000億円を国庫に納付させ、事業の財源に充てる。