静岡市 海洋文化施設 開業は早くても28年秋

静岡
 静岡市がPFI事業で整備・運営を計画しているものの、清水区での着工延期が続く海洋文化拠点施設(仮称・静岡市海洋・地球総合ミュージアム)の開業時期が、早くても2028年秋となる見通しだ。これまでは今年4月の開業を予定していたが、2年半以上遅れる。  1月8日の定例記者会見で、契約解除や事業凍結の可能性を問われた難波喬司市長は「ありえない」と答えた。建設費が高騰する中、建設・開業に向けて、整備・運営を担当する事業者と市が協議をしており、3月までには方向性を固める。  海洋文化拠点施設の整備・運営は、乃村工藝社を代表とするグループが約154億円で落札。落札者が設立したSPC「静岡海洋文化ネットワーク」と市が23年2月1日に事業契約を結んだ。SPCが建設し4月に開業する予定だったが建設コストの高騰で着工できず、SPCでは現在、要求水準に基づいて計画を見直している。  「いま非常に苦労しているのは、建設コストが高騰する中、要求水準以上の内容で建設し運営をしなければならないこと」。難波市長がこう話す通り、同事業は、市が要求水準を提示してその条件で整備・運営をする事業者を公募し、要求水準以上の整備運営をする契約を結んでいる。このため、同水準以上を確保する義務がSPCにあり、仮に同水準よりも低い仕様であれば入札段階からやり直しとなる。  難波市長は、海洋文化拠点施設整備・運営事業に「契約時の構造的な問題がある」と指摘。例えば、同じPFI事業で整備・運営する東静岡地区のアリーナの場合、運営に市は資金を一切出さず、事業者がアリーナの運営で得た利益を建設に投じる契約となっている。このため、建設費が多少上がっても、運営の利益で吸収できる可能性がある。  一方、海洋文化拠点施設はミュージアムであり、もともと利益を上げることを前提にしていない。基本的に「もうからない」事業のため、運営費の半分を市が負担し、補塡(ほてん)する契約となっている。このため、建設費が高騰すると、SPCの負担が増し、その分を運営の利益で賄うことになるが、利益が上がりづらい事業のため負担分の回収が難しい。SPCの負担を減らすよう、物価が高騰しても建設費があまり上振れしない施設内容に変えなければならないが、要求水準の内容を下回れば契約違反となる。  難波市長は「SPCと議論をしているが、構造的に課題があるので非常に厳しい状況」と話した上で「3月までにはどうするかを決める方向で、協議をしている」とした。  市の負担額を増やす可能性について問われ、難波市長は「負担をすべき範囲は負担する。例えば、年月が経過して物価上昇した分は負担をする契約となっており、それ以外の事情での変更はSPCが検討して支払う。これが原則で、上限の金額がどこまでかということではない。ただし、仮に市とSPCで合意をしても、議会で承認されるかは別問題。議会や市民がどう判断するかは極めて重要だ」と述べた。