業務に地域要件、全地整で試行 担い手確保・育成の効果実感

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 国土交通省の全ての地方整備局と北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局が建設コンサルタント業務の発注時、地元企業であることを入札参加要件としたり、優位に評価する「地域要件設定型」の発注手法を試行していることが分かった。試行業務では地域の中小企業の受注が実際に増加しており、地域の担い手となる企業や技術者の確保・育成につながっていることも確認できたという。  国交省が1月14日に開いた「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の部会で報告した。品確法の運用指針に地域の担い手確保に配慮した発注が明記されたことを踏まえ、全国10地整・局の試行的な業務発注の状況をまとめた。  地域要件設定型は2016年度の開始以降、累計1320件に適用。試行する地整の拡大に伴って適用件数が拡大しており、24年度の1年間では401件の業務に適用されている。  導入効果を見ると、例えば関東地整の試行業務では、受注者のうち地整管内に本店のある企業が占める割合が97%となり、試行対象外の業務の81%を大きく上回った。平均参加者数が増加し、1者応札が減少するなど、競争性も確保された。  受注者へのアンケートでも、回答企業の約7割が地域企業の受注機会確保につながったと回答。地域に精通した企業、技術者の評価が高まり、地域企業の技術力向上にも寄与したみている。  この他、主な試行業務の実施状況を見ると、技術提案の記載内容を簡素化する「技術提案簡素化型」は7地整・局が導入し、24年度に714件を試行。受注者の約9割が負担軽減を実感した。  女性・若手技術者の育成を目的とした「配置加点型」は9地整・局が導入し、24年度は1122件で適用。入札時に若手・女性を配置予定とした企業が約8割を占めた。若手配置への観点を試行業務した業務では、実際に配置された技術者に占める若手の割合が拡大したことも分かった。  直轄業務受注者の働き方改革に関連し、業務の履行期限平準化の取り組み状況も報告した。24年度は、翌年度に繰り越す直轄業務の割合を34%に引き上げるなど、対応を強化。1~3月を履行期限とする業務の割合は24年度に53%となり、13年度の90%から大幅に縮小した。  ただ、1~3月を履行期限とする業務割合を「23年度までに35%以下」とする目標は未達の状態となっている。国交省は、技術者の超過勤務の実態など、受注者側の課題認識を踏まえて今後の対応を検討する。