深刻化する建設業の人手不足 「社会貢献」広く発信すべき
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帝国データバンクのまとめによると、2025年の建設業の倒産件数は2021件で、12年ぶりの高水準となっている。人手不足を理由とする倒産件数は113件で過去最多となり、初めて100件を超えた。埼玉県八潮市の道路陥没事故により、インフラの維持管理の重要性が再認識された一方で、維持管理を担う建設業が厳しい経営環境に置かれていることが、改めて浮き彫りになっている。
建設業が抱える課題の一つとして、インフラを維持し、国民の生活と暮らしを守る業界の存在感が正しく知られていないことにある。いまだに3K(きつい、汚い、危険)のイメージが根強いことに加え、災害発生時の活躍も自衛隊などと比べて認知度が低い。担い手を確保していくためには、まず建設業がなぜ社会に不可欠なのか、積極的に発信することが重要だろう。
こうした課題を踏まえ、国土交通省は1月9日に、緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の活動を広く周知させるための方策を打ち出した。TEC-FORCEのロゴマークは、盾をイメージしたものに刷新するとともに、災害協定に基づいて活動する建設企業も、ビブスなどにロゴマークを使用できるようにした。国交省職員と、応急復旧に従事する建設業者の一体感を生み出しつつ、その活躍をアピールする狙いだ。
厚生労働省も、建設業に関する魅力の発信を強化する。建設企業の情報を求める高校と、人材を確保したい企業や団体をマッチングさせる「つなぐ化事業」に関して、26年度からはこれまで実績が少なかった普通科高校での積極的な実施を検討している。
高校生の職業選択の傾向として、仕事の「社会貢献」を重視する割合が高まっているという。老朽化したインフラの危険性が顕在化し、自然災害が頻発化・激甚化する中で、地域の守り手である建設業が果たす役割は、社会貢献と強く結びつくはずだ。
八潮市の事故を受けた有識者委員会は、建設業を「人々の暮らしを支えているエッセンシャルジョブ」と位置付け、この担い手が誇りを持って働ける社会となるよう、積極的な情報発信が必要だと訴えている。まずは建設業の役割と魅力を広く知ってもらうことで、その活躍に注目が集まることを期待したい。
