関東地整 利根川で中止ダムの再開等検討
東京
国土交通省関東地方整備局は利根川の八斗島上流域で中止ダムの事業再開や新規の調節池整備などを検討している。将来の気候変動を見込んで利根川・江戸川河川整備計画を変更し、八斗島上流域の洪水調節流量を毎秒3000立方㍍から4900立方㍍に増やしたためで、2025年12月の関係都県会議で既存ストックの活用だけでは課題があることを確認。これを踏まえて1月15日の関係都県会議では整備が考えられる洪水調節施設の効果や実現可能性などを示した。今後さらなる調査や確認を行って、実現可能性の高い対策の組み合わせを整理していく。
関係都県会議での説明によると、中止ダムの事業再開は八斗島上流域の群馬県内に予定地があった六つのダムを挙げて可能性を検討。具体的には▽川古ダム(群馬県みなかみ町)▽倉渕ダム(群馬県高崎市)▽増田川ダム(群馬県安中市)▽戸倉ダム(群馬県片品村)▽平川ダム(群馬県沼田市)▽栗原川ダム(群馬県沼田市)―で、流量低減効果やおおむねの工期、コスト、補償家屋の有無を比べた。
その結果、治水効果は戸倉ダムと平川ダムが「大きい」、その他の4ダムが「比較的大きい」と評価。また、戸倉ダムと倉渕ダムは一定程度の事業進捗により工期が比較的短いとしている。とりわけ戸倉ダムに関しては、建設促進期成同盟会から1月13日に事業再開を求める要望書を受け取ったことを伝えた。
また、新規ダムの検討についても、烏川流域と神流川流域の2カ所を想定して中止ダムと同様の項目で可能性を検討。いずれも効果量は非常に大きいものの、事業費や工期、補償家屋数の面から「実現性に問題がある」ため対象から外した。
一方、調節池の新設では、整備を計画する烏川調節池(群馬県玉村町、上里町)の効果を確認。毎秒20~710立方㍍の容量を確保でき、コストは約600億円と試算した。
それ以外にも八斗島上流域で面積0・5平方㌔以上の平坦地を10カ所選んで調節池整備の可能性を検討。このうち5カ所は河床勾配が急で上下流の高低差が問題になるといった地形特性から非効率と判断。残る5カ所も鉄道の横断や土地利用の進展を理由に「社会的影響に大きな課題がある」とした。
会議に参加した都県からは、「昨今の災害の激甚化を踏まえ、早期に整備ができることも重要な観点だ」「経済性や環境への影響など、総合的な観点からの検討結果を示してほしい」などの声が上がった。
