伊東市の杉本憲也市長 市政の立て直しに尽力 スピード感を持って耐震化を

静岡
 2025年12月14日に投開票された伊東市長選で、新市長に選ばれた杉本憲也氏。前市長によって、6カ月近く市政が「停滞」したと言われる中、現在と未来の市政をどのように進めていくのか。今後の展望を杉本市長に聞いた。 ―市政の立て直しを進める上で重視する施策は。  伊東市は6万1千人と伊豆半島では最も人口の多い都市ではあるが、人口減少や少子高齢化、経済の疲弊など課題が山積している。選挙戦の公約でも挙げたが、5本の柱として「子ども・子育て、教育・文化・スポーツ支援」「防災・医療・福祉分野など命を守る政策」「強みを生かした産業・経済・観光振興」「信頼され前に進められる市政の実現」「移動の不安解消」を軸に進めていく。現在は2026年度の当初予算に向けて協議を重ねているが、例年より期間が短い中での予算編成になるため、可能な限り肉付けをした予算とする見込みだ。もちろん給食費無償化の継続は実施する。間に合わないものに対しては精査した上で、次年度に見送るのではなく補正予算などで随時計上していきたい。 ―市民の生命・財産を守る上で防災対策事業が重要だ。  市内の公共施設の耐震化に向けて、スピード感を持って進めていきたい。金額ではなく、公約でも掲げたように市民の命が最優先であり、必要であれば改修・建て替えを逐次実行していく考えだ。宇佐見保育園や文化ホールなど建て替えや移転が視野に入ってくるものは、調査し整備を実施していきたい。また、以前から要望のある亀石峠のトンネル整備について国や県と協議をしていきたいと考えている。路面凍結や土砂崩れなど通行止めのリスクがあり、医療や観光などさまざまな観点からもトンネルの建設が必要だと捉えている。 ―どのような方針のもとで図書館整備に当たるのか。  前回の選挙で分かるように市民の意見で新図書館の建設は見送りとなった。一方で既存の施設は老朽化が激しく、場所も川沿いにあることから湿気が多く、図書館の立地としては不向きだ。個人の意見として、新たに建設することを視野に金額ではなくどのような施設にするかについて、主に市民と議会の理解を得ていきたい。昨今では「箱物行政」と建設した施設が使われず無駄になると冷やかす比喩があるが、使われる施設づくりに重きを置くことでその問題は起こらない。既存施設の活用、リノベーションは確かに費用の削減につながるが、それが新築よりも不便になるのならば、意味がないと考えている。 ―今後のまちづくりで重視するものは。  伊東市は観光に特化したまちだと考えている。観光客を増やそうと国内の市区町村が苦労する中で、伊東市はすでに必要なものがそろっている。市政としては、民間企業が動きやすい環境づくりを目指していきたい。まずは伊東駅周辺整備事業をはじめ、それぞれの施設が独立して動くのではなく、官民それぞれの施設がつながり、周遊性を上げることができれば、さらに伊東市に来る観光客は増えるのではないだろうか。将来的には道の駅と港が水上バスで移動できるウオーターフロント構想なども検討していきたい。 ―地元建設業者に対して、どのような期待を寄せているのか。  まちづくりに必要不可欠な存在であり、昼夜問わずインフラ整備のため働いてくださることは地域の基幹産業であることを示すのに他ならない。できる限り地域の仕事は、地域の建設業者が参加できるよう努めていきたい。建設業では、担い手不足が課題であるとよく耳にしている。こちらに関しても、行政で手助けできることは積極的に行っていきたい。