複数工事のASP連携実装 監督官のスケジュール共有
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国土交通省は、直轄工事で原則活用している受発注者の情報共有システム(ASP)の機能を拡充し、監督・検査を効率化する。まずは、ベンダーの異なるASPを採用した複数の工事間で発注者側の監督官のスケジュールを共有できるようにし、2026年度第1四半期にも実装する考えだ。26年度以降は、複数工事の工程情報の一元化や、工事関係書類の作成に伴う受注者の負担を軽減する仕組み作りにも取り組む。
ASPは、発注者側の工事監督官と受注者側の技術者が帳票や図面などをオンラインで作成・共有するICTツール。直轄工事では原則活用しており、都道府県・政令市でも大半で活用している。
受注者は、国交省の仕様を満たすベンダーのASPを適宜選んで使っている。発注者側からすると複数工事で異なるASPが採用されるため、工事間の情報共有が煩雑になったり、書類の二重提出が生じたりする課題があった。
そこで、まずは発注者のスケジュールの共有を具体化することにした。全国8地方整備局と北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局の出先事務所で1月に試行を開始。発注者が一つのASPに立ち会いや段階確認のスケジュールを入力すると、他のASPにも転送できるようにした。
試行結果を踏まえてASPに求める機能要件にスケジュール調整機能を追加する。26年度第1四半期にもシステムに実装し、実地に活用していく。
26年度以降は、さらなる機能拡充として、複数工事の工程情報を発注者が一元化して確認できる仕組みを検討。現行では施工管理ソフトごとに工程の体裁が異なるため、発注者が書類作成を求める例も多いといい、受注者にとっては余分な手間となっている。
さらに、工事関係書類の様式のデジタル化も検討する。現在、受注者は発注者ごとに定める請負代金内訳書や工事打ち合わせ簿、出来形管理図表といった書類の標準様式に合わせて書類を作成し、発注者に提出している。国交省は、受注者の手間を減らすため、標準様式を作成して地方自治体にも活用を呼び掛けているが、市町村には浸透していない。
そこで、受注者が提出すべきデータの項目のみを指定し、発注者側が任意の様式で作成・出力できるような仕組みを検討する。こうした取り組みを通じ、発注者側の監督・検査の効率化、受注者側の書類作成や打ち合わせに伴う手間の削減につなげる。
国交省は、一連の検討作業のため25年に監督支援システム検討会を設置。日本建設業連合会、ASPのシステムベンダーで構成する建設情報共有システム協会、施工管理ソフトウェア産業協会の協力を得て施工管理や監督・検査に関わる現場の課題解決を議論している。
