開発最前線 デベロッパーの戦略 ④住友不動産

東京
 首都圏を中心に、多くの新築分譲マンションを供給している住友不動産(新宿区)。大手デベロッパーならではの総合力を生かし、グループ会社と連携した宅地分譲や収益不動産の開発にも注力している。同社の畑野義人分譲開発事業本部企画管理部長に、事業の現況や今後の戦略を聞いた。  ―目玉となる開発中の物件を教えてほしい。  「JR田町駅から徒歩圏内の立地に『シティタワー東京田町』と『CITY TOWER THE RAINBOW』の2物件を開発している。いずれも長期優良住宅の認定を受けた免震構造のタワーマンションで、2027年の完成を予定している。THE RAINBOWは、レインボーブリッジをはじめとした湾岸ならではの水辺の景色を眺めることができる点も魅力だ」  ―供給戸数の見通しは。  「2026年は全国で2500戸前後の供給を予定している。そのうち約7割が首都圏を占める。既に数年先の分まで開発用地を仕入れており、今後3~5年も同程度の戸数を供給できる見込みだ」  「北海道、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡などの地方都市でも用地を取得している。広島ではホテルや温浴施設の入る、地域経済の活性化にも寄与できるような仕掛けを取り入れた分譲マンションを、ホテル事業を手掛ける部署と連携しながら開発している。地方都市であってもネームバリューのある中心市街地であれば十分な需要を見込めるため、今後もこうしたエリアの開発に注力していきたい」  ―注目しているエリアはあるか。  「やはり中央区、千代田区、港区、台東区などの利便性の良いエリアがねらい目。共働き夫婦が増加する中で、時間を有効活用したいという顧客ニーズが高い」  「これまで新築分譲マンション事業を柱に置いてきたが、建築資材費の高騰や人手不足をはじめとした課題が取り巻く環境下で持続的成長を遂げていくために、宅地分譲事業や収益物件分譲事業にも取り組み始めた。宅地分譲事業は住友不動産ハウジングと連携しながら当社の分譲セグメントを活用し、昨年から宅地の取得や注文住宅の整備を本格化している。収益物件分譲事業は100坪程度の敷地で賃貸マンションを供給している」  ―今後の戦略は。  「住友不動産ハウジングをはじめとしたグループ会社との連携を深め、互いのノウハウを生かすことでグループ全体の力を高めていきたい。社内でも、新築分譲マンションに限らず宅地分譲や収益物件分譲などの分譲事業の輪を広げたいという思いで、昨年10月に用地事業本部と住宅事業本部を合併して分譲開発事業本部を設立した。今後もグループや社内の連携強化に取り組み、幅広く分譲事業を育てていきたい」