自治体のインフラ維持管理 技術人材育成・連携へ事例集
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国土交通省は、地方自治体でインフラメンテナンスを担う技術職員が不足している現状を踏まえ、人材の育成や外部組織との連携、アドバイザー派遣を後押しする。先行事例を「人の群マネ事例集」(仮称)として2026年度に公表し、自治体の自主的な取り組みを促す。
市区町村の約4分の1には土木系技術職員が一人もいない=グラフ。インフラ維持管理の中長期的な計画検討や、補修工事の発注・監督を専門外の職員が担わざるを得ない例も多く、地方自治を所管する総務省に対応を求める声が寄せられている。
国交省は老朽化対策の円滑化に向けて、道路、上下水道といった地域インフラを自治体の枠を超えてメンテナンスする「地域インフラ群再生戦略マネジメント」(群マネ)を打ち出した。25年には群マネの発注手法や実施手順をまとめた手引き書を公表した。
ただ、自治体の人材不足もあり、群マネや新技術の活用そのものが進まない事態も想定される。そこで、自治体職員が最大限能力を発揮できるよう、国による支援メニューや都道府県・大学などとの連携事例を盛り込んだ事例集を整備する。
支援メニューは、自治体職員向けの研修・交流機会の提供や、アドバイザー派遣による伴走支援を想定。自治体の抱える課題に応じ、適切な支援策を示せるようにする。
支援の具体例としては、福島、長岡、福井、舞鶴、香川の高専が連携し、自治体や建設業者向けにメンテナンス分野の技術支援、研修などを提供している「高専インフラメンテナンス人材育成推進機構」(KOSEN-REIM)を示す。メンテナンス人材の養成講座を開いている岐阜大学や愛媛大学などの事例も盛り込む。都道府県建設技術センターの活用も促す。
技術系職員間の交流、自己研さんの事例も示す。技術系公務員の交流の場である「行政エンジニア支援機構 SORAE」や、定期的にメンテナンス分野の研修を開催している富山市の事例を参考にしてもらう。
自治体職員の技術力向上を通じて群マネ導入の機運を高める。自治体間の連携を促し、メンテナンス体制を広域化する契機とする狙いもある。
国交省は、23年度から3年間にわたって実施してきたインフラメンテナンスの専門家を派遣するハンズオン支援事業の結果を踏まえ、26年度以降に持続的な自治体支援体制の構築を目指す。人の群マネ事例集により自治体職員の技術レベルを高め、こうした支援事業の積極活用を促す。
