泉岳寺駅改良 総事業費232億円増の847億円に 都

東京

泉岳寺駅改良事業の計画(パンフレットより)

 東京都交通局は都営浅草線・泉岳寺駅の改良にかかる総事業費が2022年度時点の615億円から232億円増の847億円になるとの見通しを示した。物価の上昇や予定していなかった工事の追加などが要因。また、事業の完了時期は一体的に施行する市街地再開発事業が遅れているため、22年度時点の29年度から7年伸びて36年度になるとしている。  泉岳寺駅(港区高輪2ノ16ノ34)は地下の2面4線ホームに都営浅草線と京急電鉄京急線が乗り入れている。乗り継ぎを含む1日の平均乗降者数(24年度)は20万9882人に上る。  駅が立地する品川駅周辺地域は羽田空港に近い他、リニア中央新幹線の開業も予定されるなど、世界と日本各地をつなぐ結節点としての発展が期待されている。また、周辺では大規模な複数の再開発事業が進行中で、都は今後も乗降客が増えると予想している。  ただ、2面のホームの幅はいずれも5㍍と狭く、乗り換えなどに伴い朝と夕方にホーム内が混雑するなどの課題がある。  こうした状況を踏まえ、改良では1・2番線ホームを10・5~12・8㍍に、3・4番線ホームを10・4~10・5㍍にそれぞれ拡幅するとともに、単線の引き上げ線を2線化する。また、各ホームとコンコースをつなぐエレベーターを整備したり、一体的に施行する再開発ビルへ直通する二つの地上出入り口を新たに設置したりする他、改札口も一つ増やす。  鹿島・東急・京急JVがホームの拡幅工事(駅工区)、大成建設が引き上げ線の2線化工事(引上線工区)を担当。いずれも埋設物の移設や構内補強などの準備工を完了し、土留工と掘削工を進めている。駅工区では駅の構築に向けた準備工にも着手した。  18年度からの国庫補助採択事業で、当初の総事業費は549億円、事業の完了時期は27年度。国庫補助採択事業のため交通局は定期的に事業評価委員会を開いて有識者から事業の妥当性に対する意見を聞いており、22年度の前回再評価で総事業費を615億円に増やすとともに、完了時期を29年度に伸ばしていた。  今回の総事業費の増額や完了時期の延伸は、1月27日の事業評価委員会に諮り承認を得た再評価案の中で明示。個々に見ると、総事業費は直近3年間で約14%上昇した建設物価や施工の遅延、線路の切り替え手順と軌道内作業の増加などから232億円増の847億円になるとした。  完了時期については、一体的に行う泉岳寺駅地区第2種市街地再開発事業(都施行)の完了が27年度末から32年度末に延伸されたため、7年伸ばして36年度とする。拡幅ホームのうち1面を先行して供用する時期も27年度末から31年度末に先送りする。