私たちの就職戦線26 墨田工科高校 施工管理職編
東京
大成建設に就職が決まった建築科3年生の加瀬さん
工業系高校生の売り手市場が続き、全国工業高等学校長協会の2025年12月末時点の調査結果によると、全国の就職内定率は96・6%、関東圏内でも92・4%と高水準になっている。大手建設会社も工業系高校に注目しており、墨田工科高校建築科では施工管理職に進む6人全員が大手ゼネコンを選んだ。大手建設会社の魅力は何か。建築科3年生の加瀬龍之介さんと米澤春人さんに就活事情を聞いた。
―建築科を選んだ理由は。
加瀬「祖父が内装のクロス張り替え業、父が建築資材の運搬業に勤めており、その影響で建設業の道を選択した。祖父の手伝いでクロスの張り替え作業を行った際に、モノづくりの面白さを実感し、建設業が魅力的に映った」
米澤「父が解体業の施工管理職に就いており、よく楽しそうに仕事の話をしてくれたのが印象的だった。中学入学時点で既に進路は建築の道に固め、高校卒業後は早めに社会に出て建設業に携わりたいと思っていた」
―建設業のイメージについて。
加瀬「入学前は、きつい・汚い・危険といった3Kのイメージがあった。建築科で学び、作業実習や企業見学、インターンシップを通して、多少きついことはあっても、汚いというイメージは払拭(ふっしょく)された。建設現場は清潔で働きやすいと感じている」
米澤「父から施工管理職は人付き合いが重要だと聞き、変わった人も多そうで人間関係に苦労しないか心配だった。入学して多くの建設関連企業に話を聞く中で、最近は働き方改革などの影響で現場の雰囲気も変わってきていると聞き、ネガティブな印象は減った。むしろ安全管理や時間管理が厳しく、しっかりとした業界だと感じた」
―なぜ大手の建設業に。
加瀬「高校入学当時から就職を意識していた。体育祭でリーダー的ポジションを任され、自分で動くよりも人に指示を出すことが向いていると自覚し、施工管理職を中心に就活した。大型物件の建設に携わりたいと思い、求人票では大手建設会社だけを選んで、企業比較を行った。高校2年生の時に参加した大成建設のインターンで、若手が多く風通しの良い職場だと実感し、魅力的だったことが就職先の決め手になった。先輩が大成建設の東京支店長まで出世していることも要因だ。転勤はむしろウエルカムで、多くの現場で経験を積みたいと思っている」
米澤「高校2年生の時に授業で大和ハウス工業に就職している卒業生の社員が説明してくれて、そのころから就職を意識し始めた。学校の成績が良かったこともあり、せっかくなら有名な会社に行きたいと思い2年生の冬には大手を対象に就活を始めた。重視したのは会社の口コミや人材育成制度、手掛けた建物、職場環境で、最終的に2択まで絞った。大和ハウス工業は入社後、企業の人材育成制度で専門学校の東京テクニカルカレッジに通えると聞き、魅力的に感じた。大手であれば給与や福利厚生は充実していると思い細かい比較はしなかった」
―将来の夢について。
加瀬「まずは職場に慣れること、施工管理技士の資格を取ることを目標にしたい。将来的には新国立競技場のように、有名かつ多くの人に長く愛されて使用される建物をつくりたいと考えている」
米澤「公共施設やマンションなど大型物件の建築に関わってみたい。将来的には現場所長になって、責任のある仕事を任されたい。その際は、和やかな現場になるよう配慮し、若手に少しでも建築が好きになってもらえるように心掛けたい」
