八潮事故踏まえた制度対応 論点に財政支援・国関与強化

中央
 国土交通省は1月30日、2025年に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえ、社会資本整備審議会にインフラ管理について考える小委員会を立ち上げ、制度的な対応に関する議論を開始した。多数のインフラを抱える地方自治体で予算・人員が不足しているとの指摘を踏まえ、論点として予算の安定的な確保と財政上の支援、国の関わりの強化を挙げた。今夏に議論の中間報告をまとめる。  社整審の技術部会に「インフラマネジメント戦略小委員会」を新設し、今後のインフラマネジメントの在り方について諮問した。議論の開始に当たり、酒井庸行副大臣は「自治体、とりわけ市町村において、人員や予算の不足による課題が深刻化している」との問題意識を示した。  座長に就いた政策研究大学院大学の家田仁特別教授=写真=は、インフラの整備とメンテナンスが切り分けて議論されている現状に対し、「人口減少を踏まえると、整備とメンテナンスは本来一体であるべき」と指摘。「インフラマネジメントの根本的な考え方を充実させていこう」と述べた。  小委員会に先立ち、道路陥没事故の発生を受けて発足した国交省の有識者会議は昨年末、今後のインフラ老朽化対策に関する提言をまとめた。1月30日の小委員会では、提言を踏まえて制度的に検討すべき事項を整理。具体的には、インフラの状態を管理者・市民の双方に対して「見える化」すべきとの指摘に対し、制度整備やデータベースの構築・公表を検討するとした。  インフラ点検にメリハリを効かせるべきとも提言し、基準や要領の適切な整備を検討。対策の優先度設定や計画的な集約・再編など、インフラ再構築の促進策も考える。  インフラ整備とメンテナンスを一体的に進める統合的マネジメント体制の構築や、整備・管理の担い手である建設業者などに社会的な関心を高める対策も強化する。さらに、インフラの管理者、利用者、市民がインフラマネジメントを進める機運醸成も検討課題とした。  こうした課題認識に対し、小委員会では、今後の議論に向けた論点を整理した。特に自治体の現状を踏まえ、予算の安定的な確保や、財政上の支援・国の関与の強化が必要になるとした。また、インフラに携わる技術者不足に対し、連携・協働体制の構築や支援体制の強化が必要になるとした。  新技術活用の促進策も検討する。AI・ロボットをはじめデジタル技術の活用を加速させる支援の強化を論点の一つとする。さらに、民間ノウハウを最大限活用する方策についても議論を求める。