建設投資はそんなに伸びてる? 名目と実質で違うのはナゼ?

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このコーナーでは、ベテランたぬき記者の「ぽんせつ先生」が、知りたがりの九官鳥「キューメット」の質問に答えます(Q=キューメット、P=ぽんせつ先生)。 P.「建設投資」が毎年増えています。 Q.唐突に何よ。また公共事業費の話?しつこいんだよ。 P.建設投資には、公共事業などの政府建設投資と、企業が発注者となる民間建設投資があります。国土交通省が昨年8月に発表した2025年度の建設投資見通しでは、政府建設投資は25兆2100億円、民間建設投資は50兆3600億円となり、年間の建設投資全体が75兆5700億円になると予測しています。前年度と比べると3・2%の増加です。 Q.公共事業費って6・1兆円じゃなかったっけ? P.6・1兆円はあくまでも政府の当初予算に計上された国の予算です。政府建設投資全体で見ると、2兆円を超える補正予算もありますし、高速道路会社などの特殊法人の投資もあります。さらに大きいのは地方自治体の公共事業費です。国費を投入する補助事業や、自治体単独の事業も加えると、政府全体で25兆円を超える建設投資があるということですね。 Q.民間建設投資にはどんなものがあるの? P.民間建設投資には、住宅建設投資と非住宅建設投資があります。非住宅建設投資には、オフィスや店舗などの建築投資だけでなく、民間の土木投資も含まれています。鉄道工事や電力会社の工事ですね。これらに政府・民間の建築補修を加えた総額が建設投資ということになります。 Q.それでどのくらい増えているの? P.11年連続で増加しています。41兆9282億円まで落ち込んだ10年度と比べると80・2%の増加、30兆円以上伸びていることになります。特に2020年代に入ってからの伸びが大きく、5年で13兆円近く増加しました。 Q.それってあれでしょ。 P.物価上昇が大きく影響しています。さきほどの75兆5700億円というのは、物価変動の影響を考慮せず、実際の額面で計算する名目値ベースの建設投資です。物価変動を反映した実質値では、25年度の建設投資は57兆2875億円となります。物価変動の影響を考慮しても建設投資は伸びていますが、実質値では投資が底だった10年度と比べると伸び率が27・6%まで縮小します。 Q.来年度もこんな感じで建設投資は増えるの? P.来年度の建設投資を予測している建設経済研究所では、名目値で5・7%、実質値で3・6%上昇するとしています。やはり物価上昇の影響は避けられず、建設業界の実感よりも、見た目の建設投資額が膨らむという、これまでの流れが続くのではないでしょうか。