第4弾 「現場を支える主役たち」~建設ディレクター導入事例~

東京

建設ディレクター導入により現場と総務の距離が縮まる

 山口市に本社を置き、ICTやドローン技術を駆使しながら、土木・建設工事を担う井原組。働き方の見直しと組織の在り方を変えたいという意識がある中で、井原昌二代表取締役社長は、建設ディレクターの考え方に初めて触れたとき、「面白い」と感じた。「ディレクター」という言葉が持つ主体性や前向きな響きに可能性を見い出し、社内で導入を始めた。  導入の決め手となったのは、KDN(建設ディレクターネットワーク)のイベントで全国の事例紹介を聞いたことだった。「これなら自社でもできる」と具体的にイメージできたことで、一歩を踏み出せた。  現在、建設ディレクターとして活躍するのが総務部の金子真吾係長と岡村愛香さんの2人だ。金子氏は総務業務と兼任しながら、施工計画書や各種提出書類の作成・整理を担当。検査時期や提出期限を見据え、「次に何が必要か」を意識した先回りの支援で、現場代理人を支えている。現場から感謝される機会も増え、仕事への手応えを感じるようになった。  一方、岡村さんはICT分野を中心に、測量から3次元データの作成、出来形管理、納品まで一連の業務を担う。社長の「挑戦してみて」という一言をきっかけに業務の幅を広げ、今では複数現場を横断的に支援。工事全体を可視化できる達成感を原動力に現場と一体となって仕事に向き合っている。  これまで総務と現場の間にあった見えない「壁」は、建設ディレクターの存在によって一段階薄くなった。立場をつなぐ役割が生まれたことで、現場との距離が縮まり、働き方にも変化が表れ始めている。伴走型の体制を強みに、同社は現場と人の双方を支える組織づくりに取り組んでいる。