第2弾 「現場を支える主役たち」~建設ディレクター導入事例~

東京

建設ディレクターがドローンで工事現場の現況写真測量などを行う

 三重県四日市市の総合建設業・朝日土木が建設ディレクターを導入した背景には、現場の働き方に対する強い危機感があった。約20年間現場を経験してきた山下瑞喜DX推進室室長は、昼に現場、夜に書類業務という従来の働き方に限界を感じていた。さらにICTやBIM/CIM対応が加わり業務量は増加。「現場だけでは回らない」という実感が導入のきっかけとなった。  2023年にDX推進室を設立し、新卒2人を採用。同時に建設ディレクターの認定を取得し、DXと一体で推進する体制を整えた。点群計測やCIMモデル作成、施工計画書の初期案作成、ARによる可視化、広報業務を連携させることで、現場の負担軽減と業務効率化を同時に進めている。  中でも点群計測の内製化は大きな成果を上げている。受注翌日には計測し、即座にモデル化して現場へ反映。発注者との打ち合わせが分かりやすくなり、評価向上にもつながった。これらの取り組みは中部DX大賞の受賞という形で社外からも高く評価されている。  DX推進室で建設ディレクターとして活躍するニュンさんは、ベトナム出身。点群計測やCIMモデル作成、書類整理などを担い、「自分が作ったモデルが現場で役立ち、分かりやすいと言われる瞬間にやりがいを感じる」と話す。将来は建設系の資格取得を通じて知識を深め、後輩を支える存在になることを目標にしている。  秦真人専務取締役は、DXと建設ディレクターを「10年後、20年後の会社を支えるための投資」と位置付ける。その上で、「現場とオフィスをつなぐ中核人材を育て会社の基盤を強化する」と展望を語る。建設ディレクターを軸に新しい建設業の姿を描いている。