国際園芸博覧会出展へ 三重の高校生のチャレンジ②
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みのりのにわ班ガーデンデザインイメージ
2027年国際園芸博覧会の日本国政府苑に全国から選ばれた5校の高校生がガーデンを制作する。この中に四日市農芸高校“みのりのにわ班”がいる。「ガーデンをただ観賞する場所ではなく、暮らしの一部として自然とともに過ごす空間にしたい」と考えるリーダーの森脇里紗さんらが制作するガーデンを追った。
37年ぶりに日本で開催される。現在、日本政府苑では農林水産省と国土交通省が「日本の自然観を再考し、未来へ進む」をテーマに魅力ある展示の準備を進めている。屋内展示ではプラネタリー・バウンダリー(地球の限界)などの課題に対して取ることができる行動を提案し、屋外展示には美しい風景としての“令和日本の庭”を作り上げる。
その一環として、次世代の花き園芸、造園、農業の担い手となりうる高校生を対象に「花とみどりで創る景色」をテーマとしたガーデン制作と課題研究活動を行うグループを募集。選ばれた5校の生徒は世界各国から集まる来場者に向けて、共感や発見を届けるガーデンづくりに挑戦することとなる。
みのりのにわ班はガーデンテーマに「優雅な自給自足」、課題研究テーマに「暮らしの一部になるガーデン~育て・味わい・分かち合う空間創造~」を挙げる。応募テーマにあった持続可能性やエディブルガーデン(食べられる庭)などを意識し、野菜や果樹、エディブルフラワー、ハーブを取り入れた暮らしの一部となるガーデンづくりに取り組む。
デザインは、単なる観賞対象としての植物ではなく、人の営みの中に育てる・味わう・分かち合うという体験を根付かせ、植物と人との間に生まれる静かで力強い「いのちの循環」を生み出すことを目指す。
設計を行う際に、優しい時間の流れを感じられる空間づくりとしていくため、中央のレンガ敷きの小道とガゼボ(西洋風の東屋)のある空間をとどまって過ごせる場所としていく考え。ガゼボ内に木漏れ日が差し込むようにし、ベンチと小さな机を配置することで、植物を眺めながらのひと息や、誰かと静かに言葉を交わせるように工夫した。
「暮らしの一部になるガーデン」というテーマの他にも「がんばりすぎなくても育つ庭」という大きなテーマを掲げ、限られた管理時間でも育ち、実るという「無理をしなくてもいい」「自然のペースでいい」といった価値観を形にしたい思いを込める。「ありのままの自分を受け入れられる場所になれたなら、それがこの庭をつくった私にとって、何よりの喜び」という。
今後、2025年度後半から26年度に庭を校内に作成し、文化祭など多くの人が来る機会を利用して意見を聞きブラッシュアップしていく予定。開催期間は来年3月19日からとなるため、現在3年生の森脇さんらは卒業している。このため、在校生がその後の作業を引き継ぎ、現地でガーデンをつくる。これからの活躍に期待し、完成するのを楽しみに待ちたい。
