1週間のニュース(2月2日~6日配信)

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■2月2日(月) ▽「施工力」生かす働き方議論 技術者・技能者の課題分析  国土交通省が昨年末に開いた「今後の建設業政策の在り方に関する勉強会」では、変形労働時間制度の活用や技術者の残業削減、技能者派遣の検討といった働き方の見直しを巡って議論が交わされた。近年の建設業政策は技能者の処遇改善を通じた担い手確保が柱となってきたが、今後の論点として、建設業で働く人が力を最大限発揮し、「施工力」を高める仕組みづくりがテーマに挙がった。 ▽墜落・転落死者数は17.3%増 25年の労働災害発生状況  厚生労働省がまとめた2025年1~12月の労働災害発生状況(速報)によると、建設業の労働災害による死者数(新型コロナウイルス感染症を除く)は206人だった。前年の速報値に比べると5・5%減で、減少傾向が続いている。ただ、「墜落・転落」による死者数が88人と、17・3%増加した。 ■2月3日(火) ▽資金繰り支援の需要拡大 元請の利用、2年で4割増  公共工事を受注した元請け建設業者を対象に資金繰りを支援する「建設業安定化基金(地域建設業経営強化融資制度等)」の活用が急速に拡大している。2022年度と比べた24年度の新規債務保証は件数ベースで38・6%増、金額ベースで55・9%増と大きく伸びた。資材価格や労務費の上昇といった資金繰りに対する懸念の高まりが背景にあると見られる。国土交通省は3月31日までとなっていた新規受付期限を31年3月31日まで5年間延長することとし、債務保証を行う建設業振興基金に1月30日付けで通知した。 ▽脱炭素技術に客観評価 GHG削減の付加審査開始  国土技術研究センターと土木研究センターは、民間が開発した建設技術を第三者が評価する「建設技術審査証明事業」の一環として、温室効果ガス(GHG)の削減効果を対象とした「付加審査」を開始した。脱炭素化・低炭素化に向けた資材や工法の有効性を客観的に評価し、普及につなげる。国土交通省は建設工事でのCO2排出削減量の算定に取り組む方針を打ち出しており、付加審査活用の追い風になりそうだ。 ■2月4日(水) ▽実装近づく「フィジカルAI」 被災建築物点検を無人化  建築研究所(建研)は、複数の四足歩行ロボットが災害で被災した建築物を調査する技術を開発した。災害時だけでなく、平時での活用や、人型ロボット(ヒューマノイド)との連携も見据え、近くさらなる実証実験を行う予定。カメラやセンサーで周囲を把握し、自律して動く人工知能「フィジカルAI」の発展により、建設分野でのロボット導入が現実化しつつある。 ▽職場の熱中症予防に注力 ガイドライン骨子案を策定  厚生労働省は、「職場における熱中症防止のためのガイドライン(仮称)」の骨子案をまとめた。熱中症の重篤化を防ぐだけでなく、熱中症を予防するために、事業者が講じるべき事項を記載し、増加傾向にある死傷者数に歯止めをかける狙いだ。2月4日に検討会を開き、ガイドラインと報告書の骨子案を提示した。 ■2月5日(木) ▽一般会計から新たな地方債 公営企業の広域化を促進  総務省は、上下水道事業をはじめとする公営企業の広域化を促進するため、広域化で廃止した事業の施設撤去費用や原状回復費用、残務処理費用を、一般会計から繰り出する地方債「公営企業経営改善特例債(仮称)」を創設する。次期通常国会に特例債を創設するための地方財政法改正案を提出し、2026年度に1件以上の事例形成を目指す。 ▽資材不足・高騰のリスク共有 市区町村7割「取り組みなし」  国土交通省と財務省、総務省による調査で、主要資材の供給量減少・価格高騰リスクに関する受発注者間の情報共有について「特に取り組みなし」と回答した市区町村が1197団体あり、全体の69・6%を占めたことが分かった。契約前のリスク情報通知は、改正建設業法に基づく価格転嫁協議の円滑化ルールの出発点となるため、未実施の団体は早期の対応が求められる。 ■2月6日(金) ▽直轄現場に「フィジカルAI」 産学官で検討の場立ち上げ  国土交通省は、インフラ整備や維持管理、災害対応といった分野で「フィジカルAI」を活用するため、産学官による検討の場を立ち上げる。ロボット導入に向けた直轄現場での実証や、自動化建機のさらなる高度化に取り組み、既存技術を活用可能なものは1~3年で実用化を目指す。関心ある企業・機関が一堂に会するピッチイベントを3月に開き、活動をスタートさせる。 ▽LCA制度開始へ備え 講習会で設計者支援  国土交通省は、2028年度からのライフサイクルカーボン算定評価(LCA)制度の開始を見据え、ライフサイクルカーボンを適切に算出できる設計者向けの講習会を26年度に開催する。制度開始に当たって国交省は、ライフサイクルカーボン(LCCO2)を算定したことがある設計者が少ないことや、実績があっても新制度で求める算定方法よりも簡易な方法であることを課題としている。