外国人共生 元請けにも役割 公衆災害防止、適正就労の指導促す

中央
 国土交通省は、「特定技能制度に関する下請指導ガイドライン」を改正し、特定技能外国人に限らず、幅広く現場で働く外国人の指導を元請けに求めた。一部の解体工事をはじめとした現場で公衆災害や不適正な就労管理への社会的な不安が高まっていることを踏まえた。元請け企業にも、適正な在留資格のある外国人の活用や地域との関係構築を下請けに指導する役割を新たに求めることとした。  2月9日付でガイドラインを施行し、建設業団体に通知した。ガイドラインは、外国人材の受け入れにあたって元請け・下請け企業がそれぞれ果たすべき役割を示すもの。さまざまな在留資格の外国人が現場で就労している実態を踏まえ、特定技能制度「等」を対象としたガイドラインとして名称、内容を見直した。  ガイドラインでは特に、元請け企業の役割・責任として適正な契約・施工体制の整備だけでなく、工事に伴う騒音や震動、粉じんといった公衆災害の防止や、不適正な在留資格の外国人の排除など就労管理の観点からも対応を求めた。建設業許可が不要となるような一部の小規模な現場で課題が指摘されている現状を踏まえた。  元請けに対し、関係法令を順守した適正な工事の実施、地域との良好な関係構築に向けて下請けへの指導や助言、援助を求めた。外国人材の受け入れ適正化を通じて、高市政権も掲げる「外国人との秩序ある共生社会」を推進する。  ガイドラインの改定と合わせて、再下請け通知書の作成例に、元請け・下請けの名称の他に建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者IDの記載項目も設けた。CCUS活用による在留資格の確認をさらに徹底する。  外国人を対象とした地域共生の取り組み例も建設業団体に送付した。教育支援と生活支援、地域社会との協働に分類し、建設企業が導入する際の参考にしてもらう。主な内容を見ると、戸田みらい基金による外国人向けの日本語スピーチコンテストの実施や、特定技能外国人が地域のボランティア活動や祭りなどの地域行事に参加している兼藤(東京都品川区)、ムスリムのための礼拝スペースを併設したインドネシア料理店を開店した菅原工業(宮城県気仙沼市)などの事例を盛り込んだ。