特車通行、建機の利用拡大 申請円滑化へシステム改良

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 建設機械や資機材の運搬にも必要な特殊車両通行許可制度の利用台数が、2014年度からの10年間で2・4倍と大きく増加している。直近では、物流分野の時間外労働規制に伴う輸送力不足を背景に、自走式建設機械など大型車両の増加が目立つ。制度を所管する国土交通省は、3カ月に及ぶこともある審査手続きを円滑化するため、審査の自動化や申請窓口の統一化といったシステム改良を進める。  積載状態で長さが12㍍超となったり、総重量20㌧超など基準を超える車両が道路を通行するには同制度に基づく許可が必要になる。建機や長大な資機材の運搬を伴う建設工事には不可欠な制度となっている。  制度を利用できる道路の増加や、ドライバー不足を理由とした1台当たりの積載率上昇もあって、直近5年間では大型車両の利用が拡大。許可されたルート数で見ると、自走式建機が13・0%増、鋼材などの資機材や自走できない建機の運搬にも用いるセミトレーラーが6・6%増と伸びが顕著だった。  利用が活発な一方、課題となっているのが申請から許可までにかかる審査日数の長期化だ。通行条件などの審査日数は、制度の見直しにより、17年度の51日をピークに短縮が進んだものの、申請件数の増加に伴い24年度には再び34日にまで伸びた=グラフ参照。建設工事で建機や資材の納入のタイミングが遅れることがあれば、工程上のボトルネックにもなりかねない。  許可制度では、申請書類の不備の確認や、道路管理者間の書面での協議に時間を要している。国交省は、道路情報の電子化や、特車通行に際して協議が不要な箇所の洗い出しを通じ、こうした協議の削減を急ぐ。  22年度には、電子化済みのルートの場合に国交省が一元処理し、手続きを自動化する特車通行「確認」制度がスタート。ただ、利用は全体の1%程度にとどまっており、国交省は許可制度からの移行を急ぐ。  システム改良も進める。特車通行で経路に選ばれることの多い高速道路については、25年度末までに協議を自動化する。さらに、許可・確認制度で別々の申請窓口を統一化するため、25年度補正予算に経費を計上。データ入力を一本化して申請側・許可側双方の手間を減らすとともに、確認制度へと誘導する。  大重量の特殊車両の通行は、道路の寿命にも大きく影響する。国交省は今後、特車通行の許可実績を道路メンテナンスの高度化や、新規の道路整備に向けた計画検討にも生かす考えだ。