技術者の職務実態を調査 専任配置の見直しも視野

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 国土交通省は、人口減少や働き方の変化といった社会情勢に対応し、将来にわたって適正な施工を担保するため、技術者制度の在り方を検討する。まずは、建設業団体を通じて技術者が現場で果たしている役割を調査。より合理的・効率的で、働く人や企業にとって納得感のある専任配置の在り方を考える。  特に地方で深刻な若手の担い手不足や不況期に採用を絞られた中堅層の空洞化、高齢層への依存といった課題に対応し、技術者人材の確保や技術水準の維持向上を可能とする仕組みを考える。  このため、まずは監理・主任技術者が現場で果たしている役割を洗い出す。建設業法では、技術者の役割を▽施工計画の作成▽工程管理▽品質管理▽技術上の指導監督―としている。実際には、これに加えて労働安全衛生法に基づく安全対策や周辺への環境対策、修正設計などにも関与。現場代理人を兼務するとさらに広範な権限・責任を担っており、技術者の長時間労働の要因になっているとされる。  調査では、こうした法律に規定のない技術者の職務についても実態を調べる。また、金額要件により一律で求めている技術者の専任配置についても、業種区分ごとの特性を把握する調査も行う。  全国土木施工管理技士会連合会と傘下団体の加盟企業の100社程度を対象にアンケート調査を実施。土木施工管理技士が技術者として配置される17業種の実態を把握する。さらに、ゼネコン・地域建設業や専門工事業、設備工事業、住宅建設などの主要団体とその加盟企業に対するサンプル調査も想定。業種区分ごとに、技術者の施工管理への関与の程度を調べる。  監理技術者等制度運用マニュアルで原則として「1名が望ましい」と記載されている技術者配置について、複数人による「チーム制」での施工管理の可能性も探る。公共発注者や建設業団体にニーズとして期待される効果、課題についてアンケート調査を行う。適正な施工確保を前提に、効果的なチーム制の在り方を考える。実現すれば、技術者個人に集中しがちな負担の軽減にもつながりそうだ。  さらに、近年整備された専任配置の特例などの制度見直しについて、受発注者へのアンケートを通じて実施状況を把握する。対象はICTを活用した技術者の2現場兼任と営業所技術者の現場専任特例。1級第1次検定について、学歴・経験を問わず19歳以上であれば受験できるとした資格見直しについても聞く。  一連の調査は、技術者の価値に対する社会的な認識の向上、再評価につながるような制度の検討に生かす。