AI利用者にも民事責任 外観検査AIや画像生成AI

中央
 経済産業省は、AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き案を作成した。外観検査AIや画像生成AIを利用した結果、事故・損害が発生した場合に、AIの利用者や提供者が負うべき責任について、現行法の解釈適用の考え方を示した。  鉄筋継手や溶接部の目視検査の代わりに利用される外観検査AIについては、外観検査AIが欠陥を見逃し、事故や損害を起こした事例を想定。AI利用者は、業務プロセスの構築とリスクを低減する運用の二つを求められる。  具体的には、▽安全性に配慮した利用▽検査に習熟した担当者によるレビュー体制の構築▽誤検知時のフィードバック体制の構築▽利用状況の記録▽検査画像・レビュー結果の保存―などを怠った場合、注意義務違反が認められる恐れがある。  設計業務などに利用される画像生成AIについては、著作権や肖像権に違反する画像を生成し、外部で使用した事例を想定した。AI利用者が、著作権や肖像権を侵害している恐れがあることを知りながら生成画像を使用した場合、AI利用者は損害賠償責任を負うことになる。  生成画像が著作権や肖像権を侵害する恐れがあると知らなかった場合でも、AI利用者には注意義務があるとし、生成画像を調査・確認していなければ、損害賠償責任が認められる恐れがある。  また、資材運搬などにも利用される自律走行搬送ロボット(AMR)について、AMRのソフトウェアのバグによって事故が発生した場合、利用者の安全配慮義務違反は認められない。一方、定期的なメンテナンスや事故回避措置を怠っている場合には、安全配慮義務違反とみなす。  この他、AIエージェント、配送ルート最適化AI、取引審査AI、弁護士業務支援AIについても、法的解釈をまとめた。手引きはパブリックコメントを経て、年度末にも決定、公表する。