建設業の目指す方向議論 産業構造、働き方「踏み込む」

中央
 国土交通省は2月18日、今後の建設業政策の在り方に関する勉強会を開き、締めくくりを見据えた議論を開始した。楠田幹人不動産・建設経済局長は開会に当たって「処遇の改善だけでなく、従来からの産業構造や契約慣行、働き方といった課題にも踏み込んだ対応を検討することが不可欠だ」と発言。「信頼される建設生産システムの合理化」を念頭に、建設企業の経営や人的資源マネジメントを巡って交わされたこれまでの議論を踏まえ、とりまとめに向けた骨子を提示した。  楠田局長は、「今後の建設産業が目指すべき方向性についてまとめるべく議論いただきたい」と述べ、委員に意見を求めた。3次にわたって整備されてきた担い手3法をはじめ、これまで国交省は担い手確保や処遇改善に力点を置いて施策を講じてきたことを説明。一方で、労働力人口のさらなる減少や災害の頻発化・激甚化、人工知能(AI)の急速な発展と普及といった新たな社会経済情勢の変化にも対応する必要があると指摘。「建設業もしっかり対応しなければ、明るい未来が開けないのではないか」と述べた。  勉強会は全7回を予定しており、6回目に当たる今回、議論のとりまとめを見据えた骨子を提示した。勉強会のテーマに据えた▽これからの建設業に求められる企業の在り方▽建設業を支える人的資源のマネジメントの在り方▽今日的な企業評価の在り方―を巡る議論を踏まえ、建設業の目指すべき将来像を示す。  これまでの議論では、技術者制度が建設企業の採用・人事異動に及ぼす影響の検証や、技術者・技能者の雇用をはじめ「人」の要素に着目した経営事項審査を求める意見が出た。特に地域建設業については、企業間連携を通じた経営の安定化などが議論された。  中小零細企業が大多数を占め、繁閑差を背景に重層下請けが形成される産業構造そのものの見直しも議論のテーブルに載った。技能者については直接雇用の推進や月給化に加え、現在は禁止されている派遣の活用なども話し合われた。  勉強会は「2027建設業政策の原点」と銘打っており、3月にもまとめる勉強会の成果を基に、中長期の政策の方向性についてさらに検討を深める。  18日の勉強会では、建設業と同じく担い手確保・生産性向上が課題となっている介護と林業分野での取り組み事例についてもヒアリングした。