ビル用水法施行規則を緩和 大都市圏でも地中熱導入を推進

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 環境省は、東京都や大阪府で地下水を利用した地中熱利用システムを推進するため、建築物用地下水の採取の規制に関する法律(ビル用水法)の施行規則で定めた技術的基準を緩和する。2月19日に検討会を開き、緩和要件を提示した。今秋に改正施行規則を公布し、2027年秋に施行する。  地下水は、年間を通じて温度が一定で廉価なため幅広く利用されてきたが、高度経済成長期に地下水採取量が増大し、各地で地盤沈下が発生した。1962年には、地盤沈下の防止を目的として、環境省が指定する東京都、大阪府、埼玉県、千葉県の区域を対象に、地下水の採取を規制するビル用水法を制定した。  一方で、政府は脱炭素社会の実現を目指し、地球温暖化対策計画などに地中熱の導入拡大に取り組むことを盛り込んでいる。そのため、ビル用水法の施行規則を見直し、地下水採取の規制指定区域でも一定条件を満たせば、地中の帯水層から汲み上げた地下水を熱利用後に帯水層に還元する「地下水還元型地中熱利用システム」を導入できる制度に見直す。  改正施行規則で定める緩和要件の一つは、帯水層から汲み上げた地下水を同じ帯水層に全量還元する構造を有すること。井戸の構造は密閉式井戸とし、事業者は事前の調査ボーリングや揚水井・還元井掘削時の情報を収集する必要がある。  また、地下水の汲み上げによって地下水位や地盤高が著しく変化する恐れの有無も重要だ。粘土層の過圧密量や、現場透水試験による揚水可能量などの情報を基に、地盤影響評価を実施しなければならない。  地下水還元型地中熱利用システムの稼働中は、システムと周辺環境のモニタリングと、定期的な報告が求められる。  井戸の掘削方法や井戸構造、地盤影響評価の数値基準、システム稼働中のモニタリング方法などは、2026年度内に新たに策定するガイドラインにまとめる。