ICT施工「ステージⅡ」本格化 工種拡大、総合評価で加点

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 国土交通省は、現場で収集したデータを活用して施工を最適化するICT施工「ステージⅡ」の適用工種・実施項目を拡大する。現行の試行要領を近く本要領に改定し、総合評価での加点措置も設ける。これまでの試行では省人化や工期短縮だけでなく、利益の増加によって設備・人材投資が促進される効果も確認。直轄工事で導入を加速させ、担い手確保や企業の成長という好循環につなげる。2月25日に開いたICT導入協議会=写真=で明らかにした。  ICT施工ステージⅡは、現場のダンプや建機の位置・稼働情報を把握し、効率的な資機材配置や工程上のボトルネック解消に生かすもの。直轄工事の土工を対象に試行しており、2025年度は12月時点で100件と前年度通期の2倍以上の実績を上げていた。  具体例を見ると、近接する5現場でダンプの台数・能力を共有し、車両の滞留を予測。最適な台数に削減したことで運搬量が増大し、工程短縮につながった例などがあった。ダンプ台数の最適化によるCO2排出量削減や、アジテータトラックの納入状況のデータ化による書類作成負担の軽減といった事例もあった。  受注者へのアンケートでは、回答者の95%が「期待以上・期待通り」の導入効果を得たとし、98%が引き続き実施する意向を示した。継続を希望する理由としては、ボトルネックの把握・改善や工程上の無駄な作業の可視化といった「効率化・生産性向上」を挙げた回答者が40%を占めた。次いで、車両の運行把握による事故リスク低減など「安全性向上、事故防止」が26%だった。  工期短縮・コスト削減による副次的な効果も確認できた。利益増により設備投資や社員の教育投資、機械整備費に充てられた例があった他、若手技術者でも高精度な施工計画を策定できた例もあった。工程短縮により協力業者が別工事を受注できたり、運搬工程の効率化で協力業者の利益率が改善したとの声もあった。  一方、多様な要素技術を活用する必要があるため、現場の規模と得られるメリットに応じた導入コストの見極めが課題になることも分かった。  国交省はさらなる普及促進に向け、実施要領を見直す。実施項目では、従来も取り組んできた作業の最適化や工程の最適化に加え、データを生かした安全管理やCO2排出量の可視化といった取り組み事項を位置付ける。  試行結果を基に活用事例も整理する。国土技術政策総合研究所と連携し、施工段取りの最適化や出来形確認といったといった目的別に必要なデータの確認、活用法の検討にも取り組む。