中小向け「導入型」ICT施工 2次元MG、TS活用へ手引

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 国土交通省は、中小建設業が無理なくICT施工を導入して現場を省人化できるよう「導入型ICT活用工事」の手引きを新たに整備する。トータルステーションや2次元マシンガイダンス建機など、小規模工事でもオーバースペックにならず、施工を効率化できる手法を整理し、地方自治体工事でのICT活用に弾みをつける。  直轄工事では、土工を中心にICT活用が進み、C・D等級でも約6割がICT施工を経験済みとなっている。積極的に取り組む中小建設業では、ICT技術を内製化して外注コストを抑え、ノウハウを蓄積するといった特徴も見られる。  一方、自治体工事はそもそもアスファルト舗装工や水路・管路工の割合が大きく、また新設ではなく補修工事が中心となるなど、施工内容が直轄工事と異なる。小規模工事では設計データ作成の手間やコストが見合わないという実情もあり、受注者へのヒアリングでは「従来の施工法で十分」との声も聞かれた。  国交省は、自治体の発注工事でICT施工の要素を取り入れ、生産性向上につなげた事例を抽出。3次元マシンコントロール・マシンガイダンスなどハードルの高い建機による施工以外の選択肢として、トータルステーションや2次元マシンガイダンスの活用を取り上げ、導入型ICT活用工事の手引きに盛り込んだ。  例えば2次元マシンガイダンス付きバックホウは、床掘などの小規模な掘削工事での活用を想定。3次元設計データを使わなくてもマシンガイダンスにより掘削深さを容易に管理でき、オペレーター1人で掘削・基礎砂施工が可能となる。  深さ計測や基礎砂敷き均し作業で手元作業員が必要だった従来施工と比べれば、延べ人日を大幅に削減できる。従来の3次元建機と比べると3分の1程度のコストで後付けできる利点もある。  より簡易なICT活用の手法として、自動追尾型トータルステーションと現場測量支援アプリの活用を位置付けた。基本測設で丁張や杭打ちの位置を正確に誘導したり、ライン測設で丁張計算を不要とするなど、幅広い活用例を示し、ICT施工の間口を広げる。  先行事例を見ると、例えば札幌市は市街地の小規模土木工事を対象に、測量作業でのICT活用を推進。自動追尾型トータルステーションの使用を指定し、起工測量や丁張り設置、出来形管理などで従来手法と比べ約70%の効率化を達成。都市土木でのICT活用件数を約3倍に増やした。  山口県は3次元設計データの内製化を条件とした発注者指定によるICT工事の実施や、機材不要のセミナー開催を通じ、受注者の技術力底上げに取り組んでいる。