「裁量労働制」建設業も使えるの? 高市内閣が制度見直し検討
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このコーナーでは、ベテランたぬき記者の「ぽんせつ先生」が、知りたがりの九官鳥「キューメット」の質問に答えます(Q=キューメット、P=ぽんせつ先生)。
P.「裁量労働制」のことはご存じですか?
Q.わー!びっくりさせないでよ!いつも唐突すぎるんだよ!
P.衆院総選挙を経て、第2次高市内閣が発足しました。高市首相は、2月20日の施政方針演説で柔軟な働き方を拡大するとして、裁量労働制の見直しを検討する考えを改めて示しました。
Q.おかまいなしじゃない。えーっと、裁量労働制?それってどんな仕組みなの?
P.裁量労働制は、実際の労働時間ではなく、あらかじめ企業・労働者の間で合意した時間を労働時間とみなし、賃金を支払う仕組みです。研究開発や専門性の高い職種に限定した「専門業務型」と、本社の企画部門などに適用される「企画業務型」があります。
Q.ナゼ制度の見直しが必要なの?
P.裁量労働制の見直しを主張しているのは、大手企業でつくる日本経済団体連合会(経団連)です。経団連は、創造的で非定型の業務などは「労働時間に比例した処遇」が適していないと指摘し、対象業務の拡充を求めています。
Q.そんなこと言って結局は働く時間が長くなるんじゃないの?
P.確かに、厚生労働省の調べで、裁量労働制の適用労働者のみなし労働時間は、実労働時間よりも長い傾向がでています。労働組合でつくる日本労働組合総連合(連合)は、残業代の支払いを逃れるために制度が悪用される可能性があるとして、制度拡充に反対の立場をとっています。
Q.建設業でも使われている仕組みなの?
P.建設関係の業務では、建築士が専門業務型の対象になっています。建設会社でも、設計部門や本社勤務の内勤者らは対象になり得ますが、現場の技術者や技能者はそもそも対象になっていません。
Q.だったら今はあまり使われてないってことか。
P.建設業界は、夏季の猛暑もあり、柔軟な働き方の実現を政府に要望しています。制度見直しの議論が進む中で、もしかすると、裁量労働制を活用して建設業の働き方に特例を設けるような議論になるかもしれません。ただ、工期が決められ、工程も定まっている建設現場では、この制度の原則である労働者の裁量で働き方を決めることが難しいと考えられています。
厚労省は、変形労働時間制の見直しなどにより、建設業の特性に合った柔軟な働き方を実現するほうが効果的だとみているようです。
Q.工期が決まっているから裁量がない?どんな仕事でも期限はあるんじゃないの?自分の裁量で働き方を決めるのって、簡単じゃないよね。
