現場の人材が工科高校で実践的授業 都と建設業3団体、連携へ協議会

東京
 東京都は建設業団体と連携し、建設現場で活躍する人材が都立工科高校の生徒に実践的な授業を行えるようにする。校内外での指導・実習を通じて建設業のイメージアップや担い手の育成・確保につなげる狙いがある。2026年度中の実施に向けて施策を検討するため、日本建設業連合会(日建連)と東京建設業協会(東建)、東京都中小建設業協会(都中建)の3団体と協議会を発足させて3月2日に初会合を開いた=写真。  都立工科高校には建築や設備工業、都市工学、電気などの建設関係学科を設けている。ただ、定員割れが続いている他、24年度の卒業生1654人のうち建設業に就職した割合は25%程度にとどまっている。建設業側の担い手不足も深刻だ。  そこで建設業団体と連携し、建設業の魅力を伝えつつ、生徒が実践的な技術を学べるような教育の在り方を考えることになった。  3月2日に開いた協議会の初会合では、建設業のイメージアップや即戦力となり得るような人材の輩出に向けた連携施策の方向性について意見交換。都から小池百合子知事や関係局長らが出席し、団体側は日建連の宮本洋一会長、東建の乘京正弘会長、都中建の渡邊裕之会長が顔をそろえた。  その中で小池知事は「生成AIなどにより、人間の仕事の在り方が根本から問われている」との認識を示しつつ、「工科高校で何を教えるかを見直さなければいけない」と指摘。工科高校の生徒が「人の手でしか生み出せないリアルなサービス」を学べるよう、今後のカリキュラムを考える上で「現場から意見を伺いたい」と呼び掛けた。  これに対し、日建連の宮本会長は「建設業全体の魅力が向上すれば、工科高校への入学希望者も増えてくるだろう。子どもだけではなく、親にも建設業に誇りや憧れを持ってもらえるような環境づくりに努めていきたい」と展望した。  東建の乘京会長は、東建が催す現場見学会などから「工科高校の生徒はやる気や能力が高いと実感している」ものの、業界の取り組みだけでは「就職にはなかなかつながらない」ため、都との連携の下で「最大限の努力をしていきたい」と意気込んだ。  都中建の渡邊会長は「小・中学生が建設業に関心を持ってもらえるよう、絵本やガイドブックを配布している」ことを紹介。その上で、工科高校の生徒には「ものづくりを体験してもらうことが一番大切だ」と力説しながら、「今回の機会を生かして全力で取り組んでいく」との決意を伝えた。