interview 小野慶太氏(興栄コンサルタント代表取締役社長)

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「事業領域を大きく進化させ、当社にしかできない価値の提供を目指したい」と語る小野社長

 岐阜市の興栄コンサルタントは今年、設立60周年の節目を迎えた。名古屋市中区で前身となる興栄設計事務所を設立して以来、一貫して農業土木を強みに業容を拡大し、総合建設コンサルタントの地位を確立。昨年には2つの新規事業を立ち上げ、さらなる成長に向けた多角化戦略を加速させている。同社の小野慶太社長に今後の展望などを聞いた。  ―60周年を迎えて。  「1966年に名古屋市中区で前身の興栄設計事務所を設立後、77年に本社を岐阜市へ移転して現在の社名に改称し、農業土木分野を強みに総合建設コンサルタントとして社会資本整備に携わってきた。60周年の節目を迎えられたのは、社員一人ひとりが真摯(しんし)に仕事に取り組み、信頼を積み上げてくれたおかげだ。支えてくださった皆さまに心より感謝し、次の70周年に向けてより一層地域社会に貢献していきたい」  ―昨年に空き家再生事業とDX支援事業を新規に立ち上げた。  「空き家再生事業は、地域に眠る空き家を買い取り、リノベーションを通じて再び市場に流通させる再生型のまちづくりサービスだ。総合建設コンサルタントとしての知見を生かし、不動産の価値を向上させるだけではなく、周辺環境との調和や、まち全体の魅力向上まで見据えた『まちづくり』の視点を大切にしている。空き家が増えることで、まちの景観を損なうだけでなく、防災性や防犯性の低下、地域活力の衰退にもつながりかねない。事業を通じて、地域課題である空き家を、価値あるまちの資産へと再生させたい。また、今後は行政や地域との連携も広げていきたい」  「DX支援事業は、サイボウズのクラウドサービス『kintone(キントーン)』を活用し、自治体等の業務改善を支援するものだ。総合建設コンサルタントとして行政と深く関わる中で、官公庁のアナログな業務を効率化したいと考えたことがきっかけだ。サイボウズのオフィシャルコンサルティングパートナーとして、単なるシステム導入にとどまらず、現場に定着する仕組みづくりまで、コンサルティングや教育も含めた一気通貫で支援している。現在は自治体や公共性の高い団体向けの支援が中心だが、建設関連分野を含む民間企業への展開も強化している」  ―健康で楽しく働ける職場づくりに注力している。  「社員一人ひとりが、自分らしく安心して力を発揮できる『心理的安全性』の高い職場環境の構築を重視している。居心地が良く、良好な人間関係の中で意見を交わせる環境は、社員の健康を守るだけでなく、仕事の質の向上、ひいては地域社会への貢献へとつながるからだ。そのため当社では、積極的に社員の声を取り入れ、早くからリモートワークやフレックスタイム制を導入するなど、柔軟な働き方を推進してきた。また、社内サークルや社員旅行といった業務外の交流やレクリエーションも大切にしている。これからも、社員一人ひとりが心身ともに健やかに、自分らしく活躍できる環境を追求し続けたい」  ―今後に向けては。  「本業である総合建設コンサルタント事業のさらなる成長に向け、資格取得支援などを通じて若手社員の技術力の底上げを図っていく。その確固たる基盤の上に、今後10年間で空き家再生事業とDX支援事業を新たな柱へと育てていく計画だ。事業領域を拡大し、変化の激しい時代だからこそ、当社にしかできない価値を提供し続けていきたい」