自動施工、C等級で拡大 基準類整備、人材育成で後押し

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 国土交通省の直轄一般土木工事で、地域建設業が自動施工に取り組む例が増えている。2025年度(26年2月末時点)に自動施工の活用している11件(予定含む)のうち、C等級の企業が受注した工事が7件を占めている。工程全体ではなく、土砂の運搬など一部の作業に限定することで、無理なく自動施工を取り入れる事例が増えている。国交省は基準類の整備や企業の人材育成支援を通じ、自動施工に取り組む企業の裾野を拡大する。  施工の自動化は、i-Construction2・0の主要施策の一つ。建設現場の情報をデジタル化し、人の手を介さず自動で施工可能な建設機械により省人化を実現する。  国交省がi-Con2・0を打ち出した際に示したロードマップでは、ダムの施工現場など大規模現場で先行導入するとしていた。一方、建設産業全体の生産性を向させるためには、地域建設業にも自動施工を活用してもらう必要がある。  24年度は導入事例4件のうち3件がダム工事となっていた。しかし、25年度は活用の幅を拡大。ダム工事1件に対し、河川工事6件、道路工事3件、海岸工事1件と多様な工種で自動施工を実施することとなった。受注者を等級別にみても、A等級3社に対してB等級1社、C等級7社となり、地域建設業が取り組む事例が大きく増えた。  例えば北陸地方整備局金沢河川国道事務所が発注し、吉光組(石川県小松市)が受注した養浜工事では、積み込みは遠隔施工バックホウで対応し、運搬・投入に自動運搬クローラダンプを活用した。このダンプはコマツが市販化を見据えて製造したもので、大手ゼネコンでなくとも自動施工に取り組める先行例となった。  国交省は、地域建設業による自動施工を促すため、近く基準類を整備する。積算体系に沿って作業・自動化建機を「自動化モジュール」として整理。施工計画段階で作業フローの一部を自動化モジュールに置き換えられるようにし、施工プロセス全体の最適化を目指す。  専門知識を備えた人材として、自動施工コーディネーターの育成も進める。26年度以降、コーディネーターに必要な技能、知見をまとめた「自動施工の基礎テキスト」(仮称)を作成する。自動施工技術や施工管理、電波・情報セキュリティー、安全上の関連法令などを盛り込む。地方整備局や建設業団体による研修などで活用し、受注者の能力の底上げにつなげる。  自動施工を取り入れた施工計画の検討を補助する「自動施工シミュレーター」の開発も促進する。国交省として、シミュレーターが備えるべき機能要件を整理。民間事業者のソフト開発を促す。