26年度に都市開発諸制度を改正 アフォーダブル住宅を誘導 都

東京
 東京都は子育て世帯などが手頃な価格で安心して居住できる「アフォーダブル住宅」の供給を誘導するため、2026年度に都市開発諸制度を改正する。容積割り増しの評価対象にアフォーダブル住宅を加えて運用できるようにする方針。26年度当初予算に5000万円の調査・検討事業費を計上し、業務委託を通じて改正の中身を詰める。既存ビルや空き家などのストックと都営住宅の創出用地も活用してアフォーダブル住宅の供給を促進する。  都は都心部の新築マンションを中心とした住宅価格の高騰を踏まえ、25年3月に策定した「東京戦略2050」で「都市開発諸制度等による開発と合わせたアフォーダブル住宅の導入に向けた促進策を検討」する方針を打ち出している。  都市開発諸制度は公共的な貢献を行う建築計画の容積率や斜線制限などを緩和して良好な都市開発を誘導する仕組み。具体的には▽再開発等促進区を定める地区計画▽高度利用地区▽特定街区▽総合設計―の四つがあり、これらを戦略的に活用して地域特性に応じたまちづくりや開発を進めるための共通ルールを設定(活用方針、最新改定25年3月)。公開空地や住宅、宿泊施設、公益施設を導入したり、域外で無電柱化や駅まち一体開発などを実施したりする取り組みを評価して緩和措置を講じている。  26年度に活用方針を改定して、緩和措置の評価対象にアフォーダブル住宅を加え、導入すれば建築計画の容積率を割り増しする方針だ。  日本設計(港区)が制度設計などの検討業務を担っており、3月13日までに成果を得る。26年度に関連業務を別途委託して改正の中身を詰め、共通ルールに反映するなどして運用の前提を整える。 ■ビルリノベーションでの供給に補助  26年度は既存ビルを活用した供給に乗り出す。「アフォーダブル住宅供給チャレンジ事業」を新設し、オフィスビルや店舗付き住宅をアフォーダブル住宅へリノベーションする民間事業者に設計・工事費を補助する。  26年度にプロジェクトを公募して3件程度を採択し、26~27年度でリノベーションを行ってもらう。補助率は2分の1で1棟当たり2000万円が上限。26年度当初予算に限度額6000万円の債務負担行為(27年度)を設定して事業費を賄う。  また、空き家を活用した供給を継続する。25年度の「空き家ポテンシャル発掘支援事業」で、民間事業者から空き家を改修して地域の課題解決や活力向上につなげる事業を公募。採択した3件のうち、江戸川区の空き家をひとり親世帯向けのシェアハウスに改修する生涯現役ハウスの事業を、アフォーダブル住宅を供給する取り組みと位置付けた。  26年度と27年度も同様に事業を公募して、空き家を活用した供給を増やす考え。 ■都住創出用地も活用 27年度に事業者募集へ  都営住宅の創出用地を活用した供給の調査・検討もスタートさせる。26年度当初予算で2000万円を確保し、業務を委託して住宅需要の市場調査や事業実施方針案の検討などを行う。27年度の事業者公募と30年度以降の供給開始を目指す。  創出用地の活用はこれまで定期借地権方式を取り入れるケースが多かったが、具体的なスキームは未定。候補地もこれから選ぶという。